米Novellは11月4日(米国時間)、大手Linuxディストリビューターの独SuSE Linuxを買収することで同社と合意したと発表した。買収金額は2億1000万ドルで、2004年1月に完了の見込み。また、NovellはSuSE買収に合わせて米IBMの出資を受けることも明らかにした。Linux対Windowsの構図や米SCO Groupが起こしている訴訟など、業界にさまざまな影響を与えそうだ。
Novellは今年8月にはデスクトップLinuxの米Ximianを買収しており、今回のSuSE買収により、デスクトップからサーバーまで包括的にLinuxを提供できる体制を整える。SuSEは1992年創業のLinuxディストリビュータで、とくに欧州市場で強く、Linuxでは米RedHatに次ぐ2番手とされている。NovellはこのところOS製品をLinuxベースに移行させており、今年9月には、Linux上で動作するネットワーキングソフトウェア「Nterprise Linux Services」のベータ版を発表している。
また同社は、IBMから5000万ドルの出資を受けることも明らかにした。さらに、IBMがSuSEと結んでいたサポートに関する提携を、eServer製品ラインおよびミドルウェアに拡張する計画もあるという。
NovellのSuSE買収は、現在Linuxディストリビューター最大手の米RedHatの地位を揺るがしかねないものだ。実際、NovellのJack Messman会長兼CEOは「OSの経験があり、世界的な技術サポートを提供できるのはNovellだけだ」と語っている。また、対Microsoftとの戦いにおいても重要になりそうだ。Novellは1990年代、ネットワークOSの「NetWare」で、MicrosoftのWindowsにシェアを奪われた過去を持つ。今回、Microsoftが敵視するLinuxを揃えることで、再びMicrosoftと対決することになる。
さらに、今回の買収は、係争中のSCOの対IBM訴訟にも影響を与えることが予想される。Novellは今年5月、同社が1995年にSCOと結んだ契約で、SCOにUNIXの著作権や特許を売却していないと主張している。
■ URL
米Novell
http://www.novell.com/
独SuSE Linux
http://www.suse.com/
ニュースリリース(英文)
http://www.novell.com/news/press/archive/2003/11/pr03069.html
( Infostand )
2003/11/05 10:00
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