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Bill Gates氏、COMDEXで新ビジョン「シームレス・コンピューティング」を披露


 米Microsoft会長兼チーフソフトウェアアーキテクトのBill Gates氏は米ラスベガスで開催中の「COMDEX Las Vegas 2003」で11月16日(現地時間)基調講演を行い、コンピューティングを根本から変える新ソフトウェア群がもたらす“シームレス・コンピューティング(Seamless Computing)”ビジョンを披露した。

 “シームレス・コンピューティング”は、処理能力やストレージなどハード面での技術革新とソフトウェアとの格差を縮めるものとして紹介した。Gates氏は「“シームレス・コンピューティング”とは、個人や企業間の接続を豊かにし、コラボレーションを助け、ユーザーの望む仕事のやり方を適用できるようにするソフトウェアのブレークスルー技術群」と定義し、「ソフトウェア業界は現在、これを実現できる体制にある」と述べた。このような、異なる端末、アプリケーション、サービス、ネットワーク間の境界を越えるソフトウェアの構築は、業界にとって次の大きな機会になるという。

 同ビジョンの中核となるのは次期OS「Longhorn」だが、Gates氏は近々登場する製品として、来年提供予定のTablet PC用OSの新バージョン「Windows XP Tablet PC Edition」などを紹介した。また、今年度68億ドルを投資している研究・開発分野での取り組みとして、PC上に格納されたファイルを単一のインターフェースで検索できる「Stuff I've Seen」(コードネーム)というプロジェクトにも触れた。

 Gates氏はまた、セキュリティ分野でのMicrosoftの取り組みもアピール。スパムメール対策として、フィルタリング技術の「Microsoft SmartScreen Technology」を紹介した。同技術は、ユーザーの利用方法から学習するという特許取得技術を用いており、「Outlook 2003」「MSN」「Hotmail」に実装されるほか、「Microsoft Exchange Server 2003」のアドオン機能である「Microsoft Exchange Intelligent Message Filter(IMF)」にも含まれる。

 また、その他のセキュリティの取り組みとして、Gates氏は2004年に登場予定の「Internet Security and Acceleration(ISA) Server 2004」も披露した。ISA Serverは、アプリケーション層におけるセキュリティを実現するソフトウェアで、新バージョンでは、VPN(仮想プライベートネットワーク)やファイアウォール、Webキャッシングなどの機能が強化され、管理がよりシンプルになるという。

 このほか、年内に提供予定の「Windows XP Service Pack 2」や「Windows Server 2003 Service Pack 1」でのセキュリティ機能の強化にも言及。信頼性やセキュリティなどの課題に対しては、業界全体で取り組んでいく必要があると強調した。

 同氏は毎年、COMDEXで基調講演を行っており、今回で20回目のスピーチとなった。



URL
  米Microsoft
  http://www.microsoft.com/
  ニュースリリース(英文)
  http://www.microsoft.com/presspass/press/2003/nov03/11-16ComdexFall03PR.asp
  Gates氏の講演全文とストリーミング(同)
  http://www.microsoft.com/billgates/speeches/2003/11-16comdex2003.asp


( Infostand )
2003/11/18 10:14

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