米IDCが11月26日(米国時間)に発表した2003年第3四半期(7-9月期)の世界のサーバー市場調査結果によると、総売上高は前四半期比2%増の108億ドルで、2期連続の伸びを記録した。同市場は2000年をピークに9期連続で減少したあと、前四半期(4-6月期)に上昇に転じており、伸び率もIDCの当初予想(1%増)を上回って復調を印象づけた。
調査によると、出荷台数ベースでは19.5%の大幅増を記録した。しかし、同社Worldwide Server GroupのVernon Turnerグループ・バイスプレジデントは「2四半期連続の成長は、必ずしも景気回復が続くということを意味しない」と慎重な見方を示している。
好調は25,000ドル未満の「ボリューム」サーバーの需要増がけん引した。価格帯別の売上高では、25,000ドル未満が前年同期比9.5%増、25,000ドル以上50,000ドル未満が同7%増となったのに対し、50,000ドル以上では同14%の減少となっている。IDCによると、IT経費の削減を受け、企業がボリュームサーバーの採用にシフトしたことが一因という。
ベンダー別の売上シェアは、IBMが31.1%(前年同期29.7%)でトップの座を維持。次いでHewlett-Packardが27.7%(同27.3%)、Sun Microsystemsが10.8%(同12.1%)、Dellが9.5%(同8.6%)、Fujitsu/Fujitsu Siemensが6.3%(6.6%)の順。順位に変動はないが、Dell(11.6%増)、IBM(6.6%増)が好調だったのに対し、Sun(9.3%減)の落ち込みが目立った。
プラットフォーム別では、Linuxサーバーの出荷額が前年同期比49.8%増の7億4300万ドル、出荷台数でも51.4%増と大きく伸びた。「Linuxサーバーの売り上げは6期連続で前年同期を上回った。“線香花火”でないことが証明され、HPCや商用サーバーで活用されている」(Jean Bozman Worldwide Server Group リサーチ・バイスプレジデント)という。
また、Windowsサーバーは前年同期比10.3%増の34億ドル、出荷台数では21.4%増。Windows NTからWindows 2000/Windows 2003へのアップグレードや、Windows 2003が稼働する4Way以上のマルチプロセッサでの売上単価上昇などが要因になっているという。一方、UNIXサーバーは3.8%減の41億ドル。ただベンダー間で激しい価格競争が展開された結果、出荷台数ベースでは4.3%増となり、とくにSunは低価格サーバー戦略で17.4%増と大幅に伸ばした。市場シェアは、Hewlett-Packard(33.8%)、Sun(28.4%)、IBM(25.6%)で、HPがSunを逆転した。
■ URL
米IDC
http://www.idc.com/
ニュースリリース(英文)
http://www.idc.com/getdoc.jhtml;jsessionid=4KNNVHW5SUHFUCTFA4FCFFAKMUDYWIWD?containerId=pr2003_11_25_140001
( Infostand )
2003/11/27 11:41
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