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導入はしたものの、ERPの機能は活用できていない―米IBMのCFO調査


 大企業のCFO(最高財務責任者)の多くは、技術への投資が社内で十分に有効活用されていないと考えていることが、米IBM Business Consulting Servicesの調査で分かった。それによると、導入したERPシステムの機能を活用できているとしたCFOは、5人に1人にとどまったという。

 調査は、世界の35カ国、450人のCFOを対象に今年9月に実施したもので、対象企業の平均売上高は84億ドル。業種は金融サービスが23%、通信が14%、流通が24%、製造業が28%、公共部門が11%だった。

 それによると、導入したERPシステムの機能を完全に活用できているとしたCFOは全体の19%で、技術への投資が生かされているという評価にはほど遠い状態だった。また、社内の業務プロセスの管轄と責任の所在が明確になっているとしたCFOは3分の1にも届かず、運用面の問題があることが浮き彫りになった。

 同調査はCFOの果たすべき役割などについて聞いたもので、CFOが業務プロセスの自動化やアウトソーシング、共有サービスなどに注目して、コスト削減を図ろうとしていることがはっきり表れた。たとえば、近い将来に特定の業務をアウトソースすることを計画しているCFOは60%を超えていた。

 また、CFOの役割と責任が次第に変化していることも分かった。業績の管理と株主の利益の確保を自分の最も重要な業務だと考えるCFOは3分の2に達し、このグループでは、今後3年間で業績管理の業務が倍増していくと考えていた。その一方、バランスシートの管理が最も重要な業務であると考えているCFOは40%に満たなかったという。



URL
  米IBM Business Consulting Services
  http://www.ibm.com/bcs/
  Press room(英文)
  http://www.ibm.com/press/


( Infostand )
2003/11/28 10:46

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