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Novell、SUSE Linux顧客に免責保証を提供


 米Novellは1月13日(米国時間)、独SUSE LINUXの買収を完了し、これに合わせて、SUSE Linuxのユーザーに免責保証プログラム「Novell Linux Indemnification Program」を提供すると発表した。LinuxがUNIXの著作権を侵害していると主張する米SCO Groupが、訴訟も辞さない構えであることから、主に、SCOの訴訟問題からユーザーを保護するものとなる。

 Novell Linux Indemnification Programは、第三者からの著作権侵害の訴えに対してユーザーを保護するもので、法的な免責保証を提供する。「SUSE LINUX Enterprise Server 8」のユーザーおよび2004年1月12日以降同社とアップグレード保護や技術サポート契約を結んだユーザーが対象。

 SCOの問題では、すでに米Hewlett-Packardなどが同様の免責保証プログラムを提供しているほか、1月12日には業界団体のOSDLが専用の基金を設立すると発表している。Novellの会長兼CEOのJack Messman氏は、オープンソースソフトウェアにはこのような免責保証がないことから、企業が導入する上で障害となっており、「新プログラムにより、Linux導入の障壁が低くなる」と述べている。

 Novellは米IBMの出資を受けてSUSEの買収を完了し、今後、SUSEの製品をSUSEブランドのままで提供する。これによって同社のLinuxラインアップは、「Novell Nterprise」などの同社製品群、「Ximian Red Carpet Enterprise」などのXimian製品群に、「SUSE LINUX Enterprise Server 8」や「SUSE LINUX 9.0」などのSUSE製品が加わる。同社は最大規模のLinuxベンダーになったとしている。

 また、Novellは、SCOと係争中のUNIXコードの法的権利についても言及。以前にSCOとの間で定めた合意により、NovellはUNIX技術をライセンス提供する権利を持ち、これにはNovellの顧客が自社内でUNIXを使用することを認める権利も含まれるとしている。もし、LinuxにUNIXのコードが含まれていたとしても、使用には問題はないという立場だ。これに対し、SCOは同日付けでプレスリリースを発表し、合意によってSCOにUNIXの権利や所有権があるとあらためて主張している。



URL
  米Novell
  http://www.novell.com/
  米Novellのニュースリリース(英文)
  http://www.novell.com/news/press/archive/2004/01/pr04004.html
  米SCO Groupのニュースリリース(英文)
  http://ir.sco.com/ReleaseDetail.cfm?ReleaseID=126423


( Infostand )
2004/01/14 10:06

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