米SCO Groupは3月3日(米国時間)、自動車大手のDaimlerChryslerと、自動車部品小売店チェーンの米AutoZoneの2社に対する訴訟を明らかにした。SCOがLinuxユーザーを相手取った初の訴訟となる。SCOは昨年から、法的措置を背景にユーザー企業にライセンス料支払いを求めていたが、2つの訴訟でいよいよ強硬策に出た。
DaimlerChryslerへの訴訟は、同社がSCOとのソフトウェアライセンス契約に違反したという内容で、ミシガン州オークランド郡巡回裁判所に提起する。SCOは、DaimlerChryslerがソフトウェア合意の「条件」に準拠していることの証明書の提出を拒否し、契約条項に違反したと主張している。SCOは、DaimlerChryslerの過去の侵害を修復する禁止命令と損害賠償金の裁定を求めている。著作権侵害には触れていないという。
また、AutoZoneについては、同社がライセンス料を支払うことなく、SCOのIP(知的所有権)を含むLinuxを運用して著作権を侵害したと主張。ネバダ州連邦地方裁判所に提訴した。AutoZoneは、米国42州で約3000店舗を展開する自動車部品チェーンで、メキシコにも進出している。
SCOは、自社がプロプライエタリなIPを有する「UNIX System V」のコード、構造などがLinuxに含まれていると主張している。Linuxをユーザーに提供している米IBMや米Novellなどと係争中だ。さらに昨年8月には、ユーザー企業向けのIPライセンスプログラムを開始、ライセンス料の支払いを求めている。今回の訴訟での損害賠償額は未確定だが、SCOは1サーバープロセッサ当たりのライセンス料を699ドルとしている。
なお、SCOが同日発表した2004年第1四半期(2003年11-2004年1月期)の決算によると、売上高は前年同期比16%減の1137,2000ドルで、このうち20,000ドルはUNIXのライセンス関連事業から発生したものだった。
■ URL
米SCO Group
http://www.thescogroup.com/
ニュースリリース(SCO to File Lawsuit Against DaimlerChrysler Corporation)
http://ir.sco.com/ReleaseDetail.cfm?ReleaseID=129996
ニュースリリース(SCO Files Copyright Infringement Lawsuit Against AutoZone)
http://ir.sco.com/ReleaseDetail.cfm?ReleaseID=129978
ニュースリリース(The SCO Group Announces First Quarter 2004 Results)
http://ir.sco.com/ReleaseDetail.cfm?ReleaseID=129977
( Infostand )
2004/03/04 10:21
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