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米国で“アンチアウトソーシング”法案提出


 米国からインドや中国へのアウトソーシングが相次ぎ、米国内で雇用不安が高まっていることを受け、アウトソーシングに歯止めをかけることを狙った法案が3月3日(米国時間)、米下院に提出された。各種連邦助成金を受けている米国企業が米国内の雇用を減らして国外の雇用を増やした場合、助成金の給付を受けられなくするという内容。

 バーモント州選出の下院議員Bernie Sanders氏(無所属)が起案したもので、「Defending American Jobs Act of 2004」法案と名付けられている。同法案では、各種助成金を申請する際に、米国従業員と米国外従業員の人数と賃金を明示するよう求めている。

 国内従業員が減少しているのに対し、国外従業員が増加した場合、助成金交付は停止され、少なくとも申請時の比率に戻るまで交付を受けられない。現在、米輸出入銀行などの政府機関は、国外で事業展開する米国企業に交付金や融資、融資保証などの支援を行っており、これに連動させる。民主党議員を中心に約50人の下院議員が支持している。

 海外へのアウトソースは、ソフトウェア開発をアウトソーシングするオフショア開発や製造業で多い。Sanders議員は、米輸出入銀行から1億9000万ドルの助成金を得て中国に事業拠点を作った米Motorolaがその後、米国内で4万2900人を解雇した例などを挙げている。そして、米国の納税者の税金が交付金や融資などの形で大企業に流れ、これらの企業が中国など海外へ雇用を移転することは、「この国の中産階級への侮辱だ」と述べている。



URL
  Bernie Sanders議員
  http://bernie.house.gov/
  ニュースリリース(英語)
  http://bernie.house.gov/documents/releases/20040303133433.asp


( Infostand )
2004/03/08 10:01

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