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EU、米Microsoftに独禁法“クロ”認定、4億9700万ユーロ支払い命令


 米MicrosoftのEU競争法(独禁法)違反について調査を進めていた欧州連合(EU)は3月24日(現地時間)、同社がOS市場での独占的な地位を乱用して競争を妨げたとして、4億9720万ユーロ(約657億円)の罰金支払い命令などを含む制裁措置を発表した。同時に、ソフトウェアインターフェイスの開示などを求めている。罰金額はEUが単一企業に科したものとしては過去最高。Microsoftは即座に不服申立を行う意向を表明した。

 調査は1998年に米Sun Microsystemsがサーバー市場でのMicrosoftの商行為について苦情申立を行ったのを機に始まり、5年間にわたって行われた。同日発表した制裁措置は、(1)WindowsOSが相互に通信するインターフェイスの120日以内の公開(2)Windows Media Playerを含まないWindowsOSの90日以内の提供(3)4億9700万ユーロの罰金支払い―をMicrosoftに求めている。

 EUは、Microsoftが同社のパソコンOSでの準独占状態を、ワークグループサーバー、メディアプレーヤーの市場拡大に利用しようとしたと認定。この行為が現在も続いているとして是正を命じた。OSへのWindows Media Playerの“抱き合わせ”などが問題とされている。

 これに対しMicrosoftは同日コメントを発表。制裁措置決定までの間に、「競合他社にMicrosoft技術への前例のない大幅なアクセスを提供する」ことと、「WindowsOS搭載パソコンにWindows Media Player以外の3種類のメディアプレーヤーを組み込む」ことを提案したことを明らかにするとともに、「Microsoftの提案した和解案の方が、欧州の消費者に多くの選択肢を与える」と主張した。併せて、EUの制裁措置に対して、ルクセンブルグの第一審裁判所に不服申立を行う意向を表明、最終決着までにさらに数年間かかる見通しとなった。

 一方、ライバルのSun Microsystemsと米RealNetworksはそれぞれ、EUの判断を支持するコメントを発表している。



URL
  EUのリリース(英文)
  http://europa.eu.int/rapid/start/cgi/guesten.ksh?p_action.gettxt=gt&doc=IP/04/382|0|RAPID&lg=en&display=
  米Microsoftのリリース(同)
  http://www.microsoft.com/presspass/press/2004/mar04/03-24ECRemedyPR.asp
  米Sun Microsystemsのリリース(同)
  http://www.sun.com/aboutsun/media/features/eu_statement.html
  米RealNetworksのリリース(同)
  http://www.realnetworks.com/company/press/releases/2004/european_commission.html


( Infostand )
2004/03/25 11:09

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