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米企業のIT業務国外アウトソースさらに拡大、理由は「コスト」から「コア事業専念」に
コンサルティング会社の米DiamondCluster Internationalの調査によると、米国の有力企業とサービスプロバイダーの86%が、IT関連業務の国外アウトソーシングの利用が今後1年間で拡大すると見込んでいることが分かった。「2004 Global IT Outsourcing Study」として3月26日(米国時間)に発表した。また、企業は過度な期待を持たず、より現実的になっているという。
調査は、グローバル1000企業とアウトソーシングサービスプロバイダーの幹部を対象として、2003年末から2004年初めにかけて行われた。それによると、現在ITアウトソーシングを利用している企業の64%が「今後1年間でサービス利用を増加させる」と回答した。
また、アウトソーシング導入の理由は、「コスト削減」から「コア事業への専念」に移行しつつあるという。コスト削減では、期待できるコスト削減値が2年前の前回調査(50%)から10~20%に下がるなど、企業が現実的になっていることがうかがわれる。これに伴い、サービスプロバイダーに支払う対価も低下傾向にあるとしている。
また、プロバイダー選択の際に重視する事項としては、「信頼性」や「評判」が前回トップの「コスト」を上回った。プロバイダーへの要求は、単なるSLA(サービスレベル合意)から継続的管理に移りつつあるという。また、具体的なパフォーマンス指標として、「オンタイムデリバリー」「コスト効率性」「エンドユーザー満足度」などがあがった。
一方で、リスクへの警戒も強く残っている。従業員や株主からの反対、会社のイメージダウンなどのリスク懸念は、84%のユーザー企業、82%のサービスプロバイダーが持っていた。また、国外アウトソーシングに歯止めをかける法案が提出されるなどの政治的圧力を気にする声も、8割以上の回答者から上がったという。
同社のTom Weakland氏は「ユーザー企業は、アウトソーシングが調達の一選択肢に過ぎないことを学んだ」と述べている。同氏はまた、アウトソーシングがコモディティ化し、プロバイダー間の競争も激化するとしている。
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URL
米DiamondCluster International
http://www.diamondcluster.com/
ニュースリリース(英語)
http://www.diamondcluster.com/press/pressrelease.asp?src=pressreleases308.asp
( Infostand )
2004/03/29 10:05
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