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MicrosoftとSunが和解、和解金は16億ドル、今後10年間技術協力


 米Sun Microsystemsは4月2日(米国時間)、米Microsoftとの間で係争中のJava関連訴訟で全面的に和解したと発表した。Microsoftは和解に基づき約16億ドルをSunに支払い、両社は今後技術面で協力していく。また、同時にSunは、ソフトウェア担当副社長Jonathan Schwartz氏の社長兼COOへの昇格と、従業員約3300人のリストラなどを発表した。和解とともに、同社にとって大きな転換点となりそうだ。

 Sunは、同社のライセンス契約に反するJava仮想マシン(JVM)をWindowsに搭載することなどで反トラスト法(独禁法)に違反したとしてMicrosoftを2002年に訴えていた。今回の両社の合意では、Microsoftが訴訟の和解金として7億ドル、特許権使用に関する和解金として9億ドルの計16億ドルを支払う。また、Microsoftは自社バージョンのJVMのサポートを継続する。

 技術協力では、今後10年間にわたる提携関係を結んだ。内容は、Windows Serverなどのサーバー分野での技術協力、SunのWindows向け通信プロトコルのライセンス取得、Sun製サーバーのWindows認定、Webサービス(.NETとJava)分野など。これに伴い、互いの技術に対して特許使用料を支払うことになるが、まずMicrosoftが3億5000万ドルを先払いする。Sunは、サーバー製品にMicrosoft技術を組み込んだ時点で支払う。

 今回の合意で両社は米国内でのすべての訴訟問題に終止符を打つことになる。また、先日、EU(欧州連合)がEU競争法(独禁法)違反でMicrosoftに罰金支払いを命じたが、Sunは合意によって、EUが追求していた目標も満たせたとしている。

 同時にSunは、Ed Zander氏の退任以降、空席だった社長兼COOのポストに、Jonathan Schwartz氏が就任すると発表した。Schwartz氏はこれまで、ソフトウェア担当上級副社長として「Solaris 10」や「Java Desktop System」などを手がけてきた。Sunは先日、米IBMなどからJavaのオープンソース化に関する公開書簡を受け取っており、対応が注目されている。

 このほか、Sunは従業員約3300人を解雇し、各種資産の売却も進めるという。なお同社の第3四半期(2004年1-3月期)決算速報値では、売上高が約26億5000万ドル、GAAP(一般に認められた会計原則)ベースの純損失は7億5000万ドル~8億1000万ドルだった。



URL
  米Sun Microsystems
  http://www.sun.com/
  米Microsoft
  http://www.microsoft.com/
  和解に関するプレスリリース(英語)
  http://www.sun.com/smi/Press/sunflash/2004-04/sunflash.20040402.3.html
  http://www.microsoft.com/presspass/press/2004/apr04/04-02SunAgreementPR.asp
  米Sun Microsystemsの人事・決算に関するプレスリリース(英語)
  http://www.sun.com/smi/Press/sunflash/2004-04/sunflash.20040402.1.html


( Infostand )
2004/04/05 10:03

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