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大企業のIT担当者9割がLinux移行に「ビジネスメリットなし」


 Linuxでは、しばしば低コストがメリットとして強調されるが、大企業が導入するには、移行費用や時間などがかかるためTCO削減は難しく、UNIXやWindowsに代わる低コストな選択肢にはならない――。調査会社の米Yankee Groupが4月5日(米国時間)、こんな調査結果を発表した。

 同社が世界各国のIT管理者やCレベル(CEOやCTO、CFOなど)幹部1000人以上を対象に行った調査をまとめた。それによると、回答者はLinuxのメリットとして、性能、信頼性、使いやすさ、セキュリティなどを挙げたが、こうした技術面でのメリットは、UNIXやWindows Server 2003と同レベルではあっても、上回ってはいないと答えたという。

 さらに、1万人以上のエンドユーザーを抱える大企業300社では、90%が、WindowsからLinuxへの移行にメリットを見出していないと答えた。移行は非常にコスト高で時間を要し、さらに複雑であることから、明確なビジネスメリットはないと考えているという。

 Yankee Groupのアプリケーションインフラおよびソフトウェアプラットフォーム担当シニアアナリストLaura DiDio氏によると、WindowsプラットフォームのバージョンアップとLinuxへの移行を比較すると、Linux移行は、コストで3~4倍、時間で3倍かかるという。「LinuxがUNIXやWindowsより優れたTCOを実現できるのは、カスタマイズした産業特化型アプリケーションを持つ小規模な企業か、新たにネットワークを構築する場合だけ」(DiDio氏)で、Linuxの低コストというメリットがすべての企業に該当するわけではないと強調している。

 同社は、Linuxが勢いをつけていることは間違いないとしながら、少なくともあと2年間はWindows優勢が続くとみている。また、2006年まではデスクトップLinuxが、Windowsの94%のシェアに、はっきり分かるほど食い込むことはないと予測している。



URL
  米Yankee Group
  http://www.yankeegroup.com
  プレスリリース(英語)
  http://www.yankeegroup.com/public/news_releases/news_release_detail.jsp?ID=PressReleases/news_04052004_aisp.htm


( Infostand )
2004/04/06 10:11

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