Linuxディストリビューター最大手の米Red Hatは5月4日(英国時間)、同社のデスクトップLinux「Red Hat Desktop」の概要と戦略を明らかにした。政府や学術関係、大手企業などを対象ユーザーとしており、5月中旬にリリースする。Linuxの次のフロンティアとされるデスクトップ分野は、米Novell(SUSE)や米Sun Microsystemsがけん引してきたが、Red Hatも再参入する格好となる。
同社の会長兼CEOのMatthew Szulik氏は英国ロンドンで開催した記者会見で、デスクトップLinuxにおける同社の戦略を説明した。それによると、「Red Hat Desktop」は電子メールクライアント(Evolution)や、Webブラウザ(Mozilla)、オフィス製品群のOpenOffice.org 1.1などで構成され、システム管理プラットフォームの「Red Hat Network Proxy」または「Red Hat Satellite Server」を選択できる。安全性、管理性、信頼性を特徴とするという。
価格は「Proxy Starter Pack」が2500ドル(10ユーザー)、「Satellite Starter Pack」が1万3500ドル(50ユーザー)。追加の「Extension Pack」は3500ドル(50ユーザー)。いずれも30日間の電話ヘルプサービスと1年間のWebヘルプサービスが含まれる。
同社はこの日、顧客としてドイツの保険会社最大手LVMの事例を紹介した。LVMは「Red Hat Desktop」を導入し、8400以上のユーザーが利用しているという。またRed Hatは今後、VMWareなどのパートナー企業との協業を生かし、生産性や相互運用性を強化するという。
デスクトップLinuxは、Microsoft Officeの代替として各国政府の高い関心を集めている。同社が発表会を開いた英国でも、英国政府調達庁(OGC)が試験導入に踏み切っている。調査会社米IDCによると、2007年まで25.4%の成長率が見込まれるという。
Red Hatは今年3月、米Wind Riverと提携し、シンクライアント環境などの分野で協業することを発表しており、この取り組みも継続して進行中と述べている。
■ URL
米Red Hat
http://www.redhat.com/
プレスリリース(英語)
http://www.redhat.com/about/presscenter/2004/press_desktop.html
( Infostand )
2004/05/06 09:54
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