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米VERITASブルームCEO、「ユーティリティ化によって飽和した市場にも新たな価値を提供できる」


 5月4日より開催中の「VERITAS VISION 2004 Las Vegas」では、「UTILITY NOW」と題して米VERITAS Softwareが昨年発表したユーティリティコンピューティングへの数々の取り組みの成果が発表されている。以前はストレージマネジメントソフトが中心であった同社がユーティリティ化に取り組み始めた理由や発表後1年間で何が変わったのかなど、会長兼CEOのゲイリー・ブルーム氏に伺った。


会長兼CEO ゲイリー・ブルーム氏
 同社は以前よりストレージデータのバックアップアプリケーション「VERITAS NetBackup」などのアプリケーションで世界的にシェアや知名度を持っている。新たな方向性としてユーティリティコンピューティングを選択した理由について同氏は「CIOの立場に立ち、効率よくITを利用するために必要なソリューションを考えた先に、資産を持たず水や電気のようにITリソースを利用できるユーティリティ化があった」と語る。同社はすでにストレージの有効活用に向けた製品を展開しており、これをアプリケーションやサーバーにも応用できるのではないかと考え、ITリソース全体の有効活用に向けた戦略にシフトしたというわけだ。「他社に先駆けて取り組んだ結果、大きな差別化を図ることができた」と、同氏は胸を張る。

 今回のVERITAS VISIONで発表からちょうど1年経つわけだが同社の戦略に変化はあったのだろうか。同氏は「昨年はほとんどが構想段階であったが、今年は製品やサービスを発表し提供できる段階まで持ってくることができた」と語る。続けて「しかし当社の戦略は1年前と何ら変わらず一貫している。顧客からもとても評価されており、今後も変わることはない」と、同社が今後もユーティリティコンピューティングへのコミットを続けることを強調した。


ユーティリティコンピューティングのマトリックス
 ユーティリティコンピューティングへの取り組みにおいて、同社は縦にストレージ・サーバー・アプリケーションを、横にアベイラビリティ(可用性)・パフォーマンス・オートメーションを並べたマトリックスを掲げ、すべてに当てはまる製品を投入してそれぞれのリソースのユーティリティ化を実現するのが当面の目標となる。同氏は「今の当社に足りないところは次に買収する企業の得意分野かな」と笑いを誘い、「例えばセキュリティなど、このマトリックスの外にもユーティリティ化によってコスト削減を実現できる分野がある」と語る。「サーバーやセキュリティ製品はすでに飽和状態にあるが、ユーティリティ化によってさらに価格を下げ、新しい価値を提供できるのではないかと考えている」(同氏)。

 ところで、このVERITAS VISION 2004で発表された新製品はすべて日本国内での発売は未定となっているが、同氏はアジア・パシフィック地域の戦略はどう考えているのだろうか。同氏は「ストレージやデータセンターは利用する地域と設置される地域は異なることが多い。当社の製品はすべてグローバル展開しており、英語版であればワールドワイドで製品やサポート、トレーニングを提供する」という。さらに「必要に応じてダブルバイト言語を利用するバージョンの開発も行う。ただしリリースは半年前後遅れてしまうことがある」と付け加えた。



URL
  米VERITAS Software
  http://www.veritas.com/

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  ・ 米VERITAS、ユーティリティコンピューティングの実用化に向けた製品を発表(2004/05/06)


( 朝夷 剛士 )
2004/05/10 00:00

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