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米CA暫定CEO、「マネジメント・ソフトウェアのエキスパート」であることを強調

caworld 2004基調講演

暫定CEOのKenneth D. Cron氏
 米Computer Associates(以下、CA)が主催する年次カンファレンス「caworld 2004」が、5月23日(米国時間)に米ネバダ州ラスベガスで開幕した。

 同社は毎年、こうしたカンファレンスを米国各地で開催しているが、今回は直前の4月26日に創業者のCharles B. Wang氏の後を継いで会長兼CEOの座にあったSanjay Kumar氏がchief software architectとして経営を離れ、ボードメンバーであったKenneth D. Cron氏が暫定CEOに就任したことを発表。

 これによって一部にはまざまも憶測を呼んだが、同日午後6時からラスベガスのSands Convention Centerで行われたOpeningのKeynote SpeechにはそのCron氏が登壇、CAは市場が急拡大するマネジメント・ソフトウェア分野のリーダーであることを改めて強調した。


 Keynoteには世界各地から約1万人のユーザーが参加、その聴衆を前に暫定CEOのCron氏はまず、CAのユーザー、またその従業員、そして今回大幅に入れ替わった経営陣の声からビデオで紹介した。自ら会社の現状について語るより、こうしたいわば“陣営”の生の声を出すことで、その姿を冷静に伝えようとする狙いが感じられた。

 ビデオで登場したユーザー企業からは、「CAは以前に比べ柔軟性を持ち、顧客指向が強化されている」、「CAが社内的に直面している問題も知っているが、同社はすばらしいセキュリティのスイートを用意してくれている」、従業員からは「お客様は、私たちがソリューションを提供したことでROIをいかに改善したかを伝えてくれる」、「お客様がわれわれを信頼してくれているのは大変うれしいことだ」、そして新たな経営陣からは「今後のわれわれの課題は、さまざまなソリューションによっていかにして共通のITインフラを構築するかである」、「われわれはグローバル企業であるが、スモール・ビジネスのお客様にも最適なソリューションを提供していきたい」などの声が、実際のインタビュービデオによって紹介された。

 これに対してCron氏は、「CAはこの数年お客様指向でビジネスを推進してきた。われわれはお客様第一で、パフォーマンス、革新、そしてチームワークに焦点を当てて株主価値を向上させてきた。しかし、さらにIT投資へ予算は限られており、こうした新しいニーズにも常に応えていく努力を行っていく。われわれの営業チームは単一の組織でお客様に対応するとともに、新しいブランドチームも今後組織化していく計画で、CAの製品、ソリューションがみなさまにいかに活用されるかをお伝えしたい。同時に、さまざまなチャネル組織も新たに作り、従来のCAパートナー・プログラムをワン・パートナーとして打ち出した。利益をもたらすひとつの組織ということである」と語った。

 さらにCron氏は「CAはマネジメント・ソフトウェアのリーダー企業として、明確に強力な位置づけを持っている。今期は32億8,000万ドルの売り上げを見込んでおり、第4四半期は対前年比30%増の売り上げを見込み、事業運営のキャッシュも12億6,000万ドル保有している。昨年は売上げの20%を新たな研究開発に投資した」と具体的な数字をあげながら、CAの企業基盤は経営陣の刷新に関わらず強力であることを強調した。

 そして最後に「これまでの、メインフレームの時代、分散コンピューティングの時代、そしてインターネット・コンピューティングの時代を経て、今はマネジメント・ソフトウェアの時代になった。その革新をわれわれがリードし、現在の複雑な状況を解決し、コスト効率を向上したい。CAはみなさまのビジネスのすばらしいパートナーになると確信している」とCAがマネジメント・ソフトウェアのリーディング・カンパニーであることを、改めてcaworld 2004に参加した1万人の前で宣言した。



URL
  米Computer Associates International, Inc.
  http://www.ca.com/


( 宍戸 周夫 )
2004/05/24 16:11

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