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「マネジメント・ソフトウェア市場が急拡大している」米CA製品担当上級副社長が路線に自信


Senior Vice PresidentのMark J. Barrenechea氏
 caworld 2004において5月23日(現地時間)、米Computer Associates(以下、CA)のSenior Vice President、Mark J. Barrenechea氏が記者会見した。

 同氏はOracle Corporationのアプリケーション開発担当シニアバイスプレジデントから、2003年春にCAの製品開発担当の責任者として転じた人物。CAにおいては6つのブランド製品を統合する「マネジメント・ソフトウェア」というコンセプトを打ち出したリーダーとして知られる。

 会見の内容は以下のとおり。


―この間、経営陣が大幅に入れ替わる中で、製品戦略についてはどのような動きがあるのか。

Barrenechea氏
 2003年度にマジカルなことが起こった。マネジメント・ソフトウェア・サービス市場の急拡大だ。トップ5のマネジメント会社のライセンス数はアプリケーション会社のライセンスに比べて売上げは40%も伸びた。CIOを中心にマネジメントの重要性に対する認識が高まっている。これほど、われわれの1万6,000人の従業員に対して力を与えるものはない。


―マネジメント・ソフトウェアが顧客に与える利点は何か。

Barrenechea氏
 われわれはエンタープライズ・インフラストラクチャー・マネジメントということで、これまでの製品を位置づけている。オペレーション関連ではUnicenter、ストレージはBrightStor、セキュリティはeTrust、ライフサイクル・サービス・マネジメントはAllFusionである。また、それに付随する形で、Unicenterの中にサービス・マネジメントという新しい切り口ももうけている。つまり、OSからストレージ、セキュリティ、ライフサイクル、そしてサービスという5つがうまく組み合わされることで、インフラそのものを見えなくしてしまおうと考えている。そして、それを安価に提供しようとしているわけだ。つまり、すべての要素が完璧に統合されなければならないということである。

 たとえば、部屋の電気をつけたときに、発電所でその電気をつけた音が聞こえたら大変恐ろしいことである。ITインフラもそうあるべきだ。ITインフラも、そこにサーバーやストレージを差したときに、あたかも目に見えないような形で機能を提供してくれるようにならなければと考えている。


―CAは自らをマネジメント・ソフトウェア・エキスパートと称しているが、具体的に他のソフトウェア会社に比べてどこが違うのか。

Barrenechea氏
 歴史的な経緯をみれば、IBMもマネジメント・ソフトウェアという分野では貢献していない。オラクルもデータベースの構築、マイクロソフトのプラットフォームのツールに注力をしており、マネジメント・ソフトウェアでの取り組みは行ってこなかった。SAPもアプリケーション開発であり、それぞれのコア・テクノロジーに力を入れており、それをどうやって管理するかという点では、やはりわれわれの能力が発揮される分野だろうと思っている。


―これまでのオラクルの経験はCAでも役立っているのか。また、両社の違いは何か。

Barrenechea氏
 マネジメント・ソフトウェアの市場が急成長し、アプリケーションからマネジメントへの潮流があると考えている。その中でCAはさまざまなコンポーネントを持ち合わせており、それが私にとっては非常に魅力だった。単に両社を比べることはできないが、CAは確固としたビジョンを持った一丸となった企業であり、それがCAのすばらしさである。


―今回の経営陣の刷新で、会長兼CEOだったSanjay Kumarがchief software architectとなったが、彼との役割分担は。

Barrenechea氏
 Sanjayは今後の当社のビジョンをうち立てる役割をもっており、そのビジョンをどのように具現化するかが私の立場だ。彼はテクノロジーの分野で大変先見性のある人で、経営よりも製品戦略にその能力を発揮できると思う。協調関係を持ちながら仕事を進めていきたい。


―CAは新たにローカライゼーション・チームを発足させたが、その狙いは何か。

Barrenechea氏
 われわれはグローバル・カンパニーであり世界の60カ国でビジネスを行っているが、特に日本市場は重視している。今まで築いてきた存在感を確固たるものとしたいと考え、ローカライゼーションを進めることにした。現在、12の言語、25のプラットフォームをローカライズしたいと考えている。しかし取り組みは段階的に進める計画で、特に最重要のTier 1には英語、ドイツ語、フランス語、そして日本語を掲げている。それだけ日本語化は重要であるということだ。そのために日本法人の足立高敏氏を米国に呼び寄せ、ローカライゼーションのチームリーダーとしてその作業を進めている。



URL
  米Computer Associates International, Inc.
  http://www.ca.com/


( 宍戸 周夫 )
2004/05/24 18:06

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