米誌『CIO Magazine』が7月1日(米国時間)発表したIT予算動向の最新の月次調査結果によると、向こう1年間の平均予想増加率が8.2%と過去39カ月で最高となった。古いハードウェアの買い換え需要が本格化しているためで、当面は堅調に増加する見通しという。
米IDGの子会社CXO Mediaが発行する『CIO Magazine』が2000年8月から実施している「CIO Magazine Tech Poll」で、さまざまな規模・業種の企業のCIO、256人に今後1年のIT予算計画について聞いたもの。
それによると、今後1年間のIT投資予想増加率は8.2%、過去1年間の増加率は6.5%で、いずれも過去最高レベルとなった。調査を基に算出した同社独自の成長指数は今年最高の3.5で、前年も上回っている。調査に携わったPrudential Equity Groupの最高投資戦略家Ed Yardeni博士は「(今回の調査結果は)IT投資の見通しが引き続き改善していることを示している」と述べている。
8つのITセクターのうち、最も大きなIT予算増が見込まれているのはセキュリティ分野。「増加」が58.2%で、「減少」はわずか2.0%だった。次がハードウェア分野で、「増加」は55.7%、「減少」は15.7%。いずれも前月(それぞれ53.2%、13.8%)を上回った。
オフショア開発など雇用不安が生まれている一方で、人件費は増える傾向だ。「過去1年間で増加した」と回答した企業は4.6%で、前月(4.1%)、前年同月(3.3%)から増えた。また、「IT専門家を探す・維持することが難しい」と回答した企業は7.1%で、これも前月(6.7%)を上回っている。
同誌は今回、特別調査項目としてに、デスクトップLinuxと来年度のIT予算動向に関して調べた。それによると、デスクトップLinuxの実装のいずれかの段階にあるとした企業は6.7%、「可能性を調査中」は26.4%、「現時点で計画なし」は66.5%だった。
2005年のIT予算に最も影響を与える要因としては、「古くなったインフラの更新」が33.9%で最多だった。同誌は、昨年始まった買い替えが本格化し始めたと判断しており、今後サーバーやストレージを中心にハードウェアへの投資が増加するとみている。
■ URL
米CIO Magazine
http://www.cio.com/
ニュースリリース(英文)
http://www.cio.com/info/releases/062304_techpoll.pdf
( Infostand )
2004/07/02 10:35
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