米IBMは8月3日(米国時間)、Javaベースのリレーショナルデータベース「Cloudscape」を複製した「Derby」を、オープンソースコミュニティであるApache Software Foundation(以下、ASF)に寄贈したことを発表した。
Cloudscapeは、2MBのフットプリントを持つJavaベースのリレーショナルデータベース。IBM Workplace、WebSphere Portal、WebSphere Application Serverをはじめ、70以上のソフトウェアオファリングに組み込まれている。
今回IBMでは、ASFの企業寄贈者ライセンス認可制度に基づいて、50万行を超えるDerbyのコードを寄贈した。コードは2~3週間以内にApache.orgからダウンロード提供されるが、IBMではそれまで開発者向けサイトでバイナリを提供していく。
Derbyは、エンタープライズレベルのデータベースを必要としない小規模なWebサイト、POSシステム、ローカルレジストリ/リポジトリ、小型の部門別アプリケーションなどを容易に構築できるソリューションとして、IBMではソフトウェア製品へ組み込むデータベースや、中小企業向けアプリケーションの基盤に新たな選択肢をもたらすとしている。
米IBMのデータマネジメントソフトウェア ゼネラル・マネジャーのジャネット・パルナ氏は、「Derbyのオープンソース化で、Javaベースのアプリケーション開発を促進し、LinuxおよびJavaコミュニティの革新を推進していきたいと願っている」と述べ、アパッチとの協力にも期待を示した。
なおIBMでは、アパッチコードと同じテクノロジーを使用したCloudscapeの商用版を2004年後半にもリリースする予定。
■ URL
米IBM
http://www.ibm.com/
ニュースリリース(日本語)
http://www.ibm.com/news/jp/2004/08/08051.html
Apache Software Foundation
http://www.apache.org/
IBM Cloudscape(developerWorks、英文)
http://www-106.ibm.com/developerworks/db2/zones/cloudscape/
( 岩崎 宰守 )
2004/08/05 18:52
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