米Microsoftは、これまで開発コードネーム「Whitehorse」とされていたVisual Studio 2005 Team System用モデリングツールのコミュニティテクノロジープレビュー版(CTP:Community Technology Preview)を、10月26日(米国時間)にカナダのブリティッシュコロンビア州バンクーバーで開催された米国計算機学会(ACM:Association for Computing Machinery)の会議上でリリースした。
配布されたのは、オブジェクト指向プログラミング、システム、言語およびアプリケーション(Conference on OOPSLA:Object-Oriented Programming, Systems, Languages and Applications)会議において。同会議で基調講演を行った米Microsoft リサーチ担当シニアバイスプレジデントであるリック・ラシッド氏は、「新たなテクノロジーにより、Visual Studio 2005や.NET Frameworkを今まで以上にビジネスニーズに合った形で活用できる」としている。
Whitehorseは、SOAに基づいた分散システム上で、アプリケーションを構築するためのビジュアルモデルをGUIベースでデザイン可能なツール。その検証もサポートしており、効率的なソフトウェア開発とインフラへの展開を実現する。
また、このツールを用いることで、対象領域での冗長作業を自動化可能な特定領域言語向けのデザイナ(Domain-Specific Language Designers)を構築できるという。
これにより米Microsoftでは、その場限りの工程や用途別のアーキテクチャーを駆使して行われている汎用ツールを中心とした現在の開発作業のなかで、特定領域で共通する機械的な単純作業を自動化し、アプリケーション開発を合理化する“ソフトウェアファクトリー”というビジョンを実現するとしている。
製品としては、2005年第1四半期の発売が予定されているVisual Studio 2005 Team Systemに同梱される。
米SiemensのCorporate Technology担当バイスプレジデントであるラインホルド・アチャツ氏は「ドメイン駆動開発の手法は、モデルの再利用を容易にするという意味で重要な役割を果たす。しかし一般的なモデリングツールは、オブジェクト指向の分析やデザインにフォーカスされ、ビジネス領域に特化したニーズに効果的に対応できていない。Visual Studio Team Systemを用いることで、ソフトウェアファクトリーのデザイン、カスタム化および特化が容易になれば、ソフトウェア開発の生産性向上につながる」としている。
■ URL
米Microsoft
http://www.microsoft.com/
プレスリリース
http://www.microsoft.com/japan/presspass/detail.aspx?newsid=2096
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( 岩崎 宰守 )
2004/10/29 12:19
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