米Oracleは12月7日(米国時間)、J2EEアプリケーションサーバーソフトウェア「Oracle Application Server 10g Release 2」を発表した。12月後半には提供される見通し。
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米Oracle サーバー・テクノロジ担当シニアバイスプレジデント トーマス・クリアン氏
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今回の製品は字面ではマイナーバージョンアップとの位置づけだが、米Oracle サーバー・テクノロジ担当シニアバイスプレジデントであるトーマス・クリアン氏が「開発には1年以上を費やして423の新機能を搭載した。これまでで最大レベルの機能強化」と語るほどで、「複雑なビジネスアプリケーションを、ローコストのサーバーとストレージによるグリッドで実現するSOA基盤としてのミドルウェアスイート」となった。
具体的には、「Javaのコードを走らせるだけでなく、ビジネスインテグレーションの拠点として」、アプリケーションサービスをモジュールとし、これらを連携するビジネスプロセスとして統合できる「Oracle BPEL Process Manager 10g」、ビジネスプロセスのイベントを監視し、必要な対策を自動的に実行できる「Business Activity Monitoring」などの機能が追加されている。
アプリケーションサーバーとしてはJ2EE 1.4へ準拠したほか、「WSIF」、「WS-Reliability」、「WS-Security」、「WS-Policy」といった標準技術も新たにサポートしている。
競合するAPサーバー製品「BEA WebLogic」との比較では、現行製品がBPELをはじめとした標準技術への対応に遅れている点を指摘。「IBM WebSphere」については「各コンポーネントが疎結合の状態で、導入にも時間を要する」とし、データベースとAPサーバーを単一のGUIコンソール「Oracle Enterprise Manager 10g」で集中管理でき、BIやアイデンティティ管理といった付加機能までをスイートとして提供するOracle製品の優位を訴えた。
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サービスとシステムの関係をGUIで確認できるトポロジカルビュー
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元々はデータベースの管理コンソールだったEnterprise Managerだが、10g Release 2では、グリッドコントロールの機能に基づいて、レポーティングや履歴管理によりサービスレベルを最適化する機能が加わった。また経営層、管理者などの役割に応じて必要な情報をWebとして発行するダッシュボードや、サービスとシステムの関係をGUIで確認できるトポロジカルビューなどの機能も追加されている。またWebサービスだけでなくさまざまなソフトウェア環境の管理も新たにサポートし、Oracle製品だけでなく異機種混在環境の管理も可能となった。
また開発環境となる「Oracle JDeveloper 10g Release 2」もあわせて発表された。ドラッグアンドドロップのユーザーインターフェイス開発に関するJava標準「Java ServerFaces」に同社製品としては初めて対応し、さらに同社独自の「Oracle Application Development Framework (ADF) Faces」も提供する。さらにコードリファクタリングやコードテンプレート、コードナビゲーションといった各種機能により、開発者の生産性を向上する。
さらにクリアン氏は「ビジネスプロセス管理エンジンも統合し、フロントエンドとバックエンドをひとつの環境で開発できる」とした。そのほかにXMLエディタやXSLTマッピングツールといったXML開発関連の機能も拡張されている。
■ URL
米Oracle
http://www.oracle.com/
Oracle OpenWorld
http://www.oracle.com/openworld/
ニュースリリース(Application Server 10g Release 2)
http://www.oracle.co.jp/news_owa/NEWS/news.news_detail?p_news_code=1253
ニュースリリース(Enterprise Manager 10g Release 2)
http://www.oracle.co.jp/news_owa/NEWS/news.news_detail?p_news_code=1252
ニュースリリース(JDeveloper 10g)
http://www.oracle.co.jp/news_owa/NEWS/news.news_detail?p_news_code=1250
( 岩崎 宰守 )
2004/12/09 10:20
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