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米Oracle、複数のコンポーネントで構成された“完全な”BIソリューション
米Oracleは12月6日(米国時間)、ビジネスインテリジェンスソリューション「Oracle Business Intelligence 10g」を発表し、12月6~9日に開催されたイベント「Oracle Openworld」において、その概要に関する講演を行った。
Oracle BI 10gは、検索、レポーティング、分析、そしてダッシュボードの機能をもつツール「Oracle Discoverer」、Excelから直接Oracle OLAPへアクセスして、データ分析を行える「Oracle Spreadsheet Add-In」、強力なデータ品質保護とETL機能を提供する「Oracle Warehouse Builder」、BIアプリケーションの開発が行える「Oracle BI Beans」のコンポーネントで構成される。
米Oracle サーバー開発・ビジネスインテリジェンス・バイスプレジデント ロイ・ロッカフォルテ氏
アプリケーションが扱うすべてのデータを、単一のデータベースに集中する点がOracle製品の特徴だが、今回のBI 10gは「シングルモデルによる単一処理でデータの断片化をなくすこれまで5年間の事業戦略の次のステップとして位置づけられるもの」(米Oracle サーバー開発・ビジネスインテリジェンス・バイスプレジデント ロイ・ロッカフォルテ氏)となる。
それ自身がデータマイニングの演算処理を持ち、リアルタイムに更新されるデータソースにそのままアクセスできるOracle Discovererでは、柔軟なクエリ、分析の機能を利用できる。
さらに通常は2つのツールを必要とするRDBMSとOLAPへのアクセスが、同一の分析環境で動作可能となる点も特徴で、「リクエストの抽出では、ユーザーはアクセス先を意識する必要がない。またバッチのような待ち時間がなく、その場で処理が行われるため、より早い意思決定が可能になる」という。
このほかユーザーのレポーティング書式をカスタマイズし、必要なグラフをWebブラウザで表示できる「ダッシュボード」の機能も強化されており、「経営層や管理者、業務担当者など、ユーザーごとの役割に応じて、円グラフなどを活用した“セルフサービスBI”が実現する」とした。
またダッシュボードからドリルダウンすることで、Discovererの機能を利用したより詳細な分析もシームレスに行え、その結果もExcelやPDFなどに出力して、配布できる。
Oracle Spreadsheet Add-Inでは、Excel内からデータベースに直接接続して、OLAPデータの情報検索、表示、分析が可能だ。演算処理はデータベース側で行われ、さらに計算結果もデータベース内に格納されるなど、セキュリティ面も考慮されている。
表示データのフォーマットを自由にカスタマイズできる
「ダッシュボード」では、経営層向けにリアルタイムな分析結果に基づいて各項目の状態を表示できる
業務担当者はExcelのユーザーインターフェイスを用い、レポーティング用のデータ集計などを行える
なお製品は、データ抽出用のアプリケーション開発環境であるBI Beansまでがバンドル化された「完全なBIソリューション」として提供される。「競合のBIツールはばらばらに導入する必要があるが、製品はバンドル化されているためコスト効果が高い」とし、数ベンダーのツールを統合するコストが不要になる導入のしやすさもメリットとした。
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URL
米Oracle
http://www.oracle.com/
Oracle OpenWorld
http://www.oracle.com/openworld/
プレスリリース
( 岩崎 宰守 )
2004/12/13 18:07
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