米Oracleと米PeopleSoftは12月13日(米国時間)、OracleがPeopleSoftを買収することで両社の取締役会が合意したと発表した。最終的な買収金額は総額約103億ドルで、手続きは2005年1月初めに完了の予定。Oracleが2003年6月にPeopleSoftに敵対的買収を仕掛けて以来、1年半にわたる攻防が終わりを迎える。
最終合意の下、Oracleは1株当たり26.5ドルでPeopleSoftの株式を購入し、両社とも係争中のすべての訴訟を停止する。買収金額は、Oracleが11月に「最高にしてかつ最終」として提示した24ドルに2.5ドル上乗せしたもの。Oracleはこれに合わせて、公開買い付け期限を12月28日まで延長する。
Oracleは、PeopleSoftと、PeopleSoftが2003年7月に買収したJ.D. Edwardsの両業務アプリケーション製品の開発を継続する意向を表明。Oracle CEOのLarry Ellison氏は「PeopleSoftとJ.D. Edwardsの顧客に対して、ただちにサポートを提供する」と説明している。
Oracleはここ数年、主力事業であるデータベース分野から業務アプリケーション分野へと事業拡大を図っており、最新四半期の業績でアプリケーション事業は前年同期比57%増だった。同社はPeopleSoft買収で最大手の独SAPに対抗する構え。買収後もSAPの首位は揺るがない。この市場は主にSAP、Oracle、米Microsoftの3社の戦いとなる。
Oracleの買収提案はPeopleSoftの強い抵抗にあい、Oracleは提示価格を何度か引き上げた。この間、独禁法違反の疑いで調査した米国とEU(欧州連合)の当局は、「違反にはあたらない」との判断を下し、Oracleは今年11月、総額約88億ドルの「最高にしてかつ最終」の買収額を提示、PeopleSoft側を追い込んだ。この結果、Oracleは60%以上の株式の取得に成功していた。
PeopleSoftの取引委員会の会長、A. George “Skip” Battle氏は、「注意深く検討した結果、改定された提案はPeopleSoftの株主に適切な価値をもたらすと信じる。これは長く感情的な戦いで、PeopleSoftの従業員は多くの課題のなか、良くやってくれた」と述べている。
■ URL
米Oracle
http://www.oracle.com/
米PeopleSoft
http://www.peoplesoft.com/
米Oracleのニュースリリース(英文)
http://www.oracle.com/corporate/press/2004_dec/acquisition.html
米PeopleSoftのニュースリリース(英文)
http://www.peoplesoft.com/corp/en/news_events/news/database/press_release.jsp?doc=35F17B9A9106944F88256F69003B102C
( Infostand )
2004/12/14 10:13
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