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米OSDL、データセンター向けのDCL 1.1と通信キャリア向けのCGL 3.0を公開


 米Open Source Development Lab(以下、OSDL)は2月9日(米国時間)、通信キャリア向けのLinux要求定義「OSDL Carrier Grade Linux Requirements Definition, version 3.0(CGL 3.0)」とデータセンター向けLinuxの機能ガイドライン「OSDL Data Center Linux Capabilities version 1.1(DCL 1.1)」をWebサイトで無償公開した。

 CGL 3.0では、以下の各項目について要件が規定されている。

  • オンラインでの運用、冗長性、モニタリングなどによる99.999%の可用性

  • 高可用性クラスタによる単一障害点の排除

  • SMPやハイパースレッド、大規模メモリをサポートし、遅延の少ない通信を提供できる性能面

  • SNMP/CIM/WBEM/IPMI/HPIなどのサポートにより、リモートでのモニタリング・管理が可能な保守性

  • 相互運用性促進を目的としたLinux Standard Base (LSB) やSA Forum interface specification、POSIXといった業界標準への準拠

  • ホットスワップや高スループットインターコネクションなのサポートを含む標準ベースでモジュール型のハードウェアコンポーネント
 米Intel オープンソーステクノロジーセンターのビジネスディベロップメントマネージャーで、OSDLのCGLワーキンググループ議長も務めるアンディ・ウィルソン氏は「新しいモジュラー型通信プラットフォームの重要な要素であるLinuxにより、より迅速な市場投入とコスト削減が可能になります。CGL 3.0は、Linux開発者、機器設計者、ディストリビュータが、将来の製品の機能や性能、有用性のための技術的な方向性を定めるものです」と述べている。

 現在、Connectiva、MontaVista Software、Red Hat、Novell、TimeSys、Turbolinux、Wind Riverの各Linuxディストリビュータ、そして16社のネットワーク通信機器ベンダーが対応製品を提供している。OSDLでは、CGL 3.0をベースしたソリューションが2006年中にも実現すると見込んでいる。

 DCL 1.1は、データセンターでのLinux OSに求められるカーネル機能や関連ライブラリ開発における参照ガイドラインとなるドキュメント。OSDLでは、DCL 1.0が公開された2004年2月以降、優先順位の高いテクノロジー分野としてセキュリティ、ホットプラグ、クラスタリング、ストレージネットワークの4つを特定し、それぞれにSIG(Special Interest Group)を設けており、DCL 1.1にはこの取り組みが反映されている。

 ストレージSIGでは、Network File System (NFS) V4の開発・テストが行われたほか、ボリューム管理やマルチパスI/Oへの取り組みも展開している。またセキュリティSIGでは、コンピューティング環境におけるセキュリティ脅威のプロファイル構築などが行われ、DCL Capabilities DocumentのLinuxセキュリティに関する新しい要件も推進されている。



URL
  米Open Source Development Lab
  http://www.osdl.org/
  プレスリリース(DCL 1.1)
  http://www.osdl.jp/newsroom/press_releases/2005/2005_02_09_beaverton.html
  プレスリリース(CGL 3.0)
  http://www.osdl.jp/newsroom/press_releases/2005/2005_02_08_beaverton.html

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( 岩崎 宰守 )
2005/02/10 18:03

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