米Red Hatは2月15日(米国時間)、エンタープライズ向けLinuxディストリビューションの新版「Red Hat Enterprise Linux v.4」(RHEL4)をリリースした。パフォーマンスとセキュリティを大幅に向上させ、世界15言語で利用できる。同社は、UNIX、とりわけ米Sun MicrosystemsのSolarisの置き換えを狙っており、「プロプライエタリなプラットフォームの終焉の始まりになる」と宣言している。
RHEL4はRed Hatとしては初めてkernel 2.6を採用しており、SELinux(Security-Enhanced Linux)の技術を統合して、エンタープライズの要求に応えるセキュリティ機能を備えたという。また、デスクトップの生産性を改善し、32、64ビットの両方でのパフォーマンスとスケーラビリティを強化した。
プラットフォームは、64ビットのXeonとItanium 2、AMD64に対応。また、IBMのPOWERシリーズ、S/390、x86までの全サーバーで動作する。このほか、USBデバイスのプラグアンドプレイ、Intel Centrinoテクノロジなどモバイルのサポートを強化。ノートPCの電源管理にも対応する。Red Hatの発表に合わせて、Dell、EMC、Hewlett-Packard、IBM、Intel、RealNetworks、SGI、Wind Riverの米各社や日立製作所がサポートを表明した。
同時にRed Hatは、アップデートサービスのRed Hat NetworkをSolarisにも対応させると発表した。クロスプラットフォームのサポートで、SolarisからRed Hat Enterprise Linuxへの移行を促進するのが目的で、Solarisの狙い打ちに出ている。
一方、SunはSolarisをオープンソース化して、オープンソースコミュニティの協力を得る努力を続けている。そのなかで、Sunの社長兼CEOのJonathan Schwartz氏は昨年来、Red Hatの姿勢が最終的にLinuxの発展を阻害すると警告するなど対決色を強めており、最近も、Red Hat Linuxを「プロプライエタリLinux」と呼んで批判していた。
■ URL
米Red Hat
http://www.redhat.com/
ニュースリリース(英文)
http://www.redhat.com/about/presscenter/2005/press_rhel4.html
http://www.redhat.com/about/presscenter/2005/press_rhn.html
( Infostand )
2005/02/16 10:12
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