米Forrester Researchは3月15日(現地時間)、企業ITインフラの5つの課題と推奨策をまとめたレポート「Top Five Challenges For Enterprise IT Infrastructure Managers ? And How To Resolve Them」を発表した。それによると、課題の第一位は、「一貫性のあるサービスレベルの維持」だった。
年商10億ドル以上の欧州企業のITインフラ担当者67人に現在の課題を聞いてまとめた。IT担当者の多くは他のシステムとの連携・統合、VoIPなどの新プロジェクト、サービスレベルの維持など、数多くのタスクを抱えており、インフラの問題は深刻化していると感じていることがわかった。
「一貫性のあるサービスレベルの維持」が求められるのは、事業活動とアプリケーションの結びつきが強くなり、エンドユーザー側が重要度の高いアプリケーションのサービスレベル保障を必要とするためという。
これに対するForresterの推奨策は、サービスカタログを作成し、サービスレベル管理(SLM)またはビジネスサービス管理(BSM)を実践すること。SLMは、サービス提供側とユーザー側の合意。BSMは全体のサービス品質をエンドユーザーの観点から測定する指標だ。
他の4項目とForresterの推奨策は以下の通り。
2)インシデントやシステム停止につながる予測不可能なインフラ変更
[推奨策] 英国のITサービス管理ガイド標準であるITIL(IT Infrastructure Library)を用いた変更管理プロセスの実装、インフラとアプリケーションの動的なリンク
3)インフラ統合や新規プロジェクトによる予期できない影響
[推奨策] 実装前にテストを実行
4)ネットワーク上の端末の設定ミス
[推奨策] ネットワーク設定の自動化、ルーティン化
5)WANの性能、重要なトラフィックの分類
[推奨策] WAN帯域の管理、WANトラフィックの圧縮
同社の主席アナリスト、Thomas Mendel氏は「課題は深刻化している」としながらも、サービスカタログ、SLM、BSM、ネットワーク設定管理などのさまざまな新技術とベストプラクティスを用いて対策をとることは可能だとしている。
■ URL
米Forrester Research
http://www.forrester.com/
プレスリリース(英語)
http://www.forrester.com/ER/Press/Release/0,1769,988,00.html
( Infostand )
2005/03/16 09:52
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