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米IBMのグリッド技術、英Land Roverや中国官庁が採用


 米IBMは3月24日(米国時間)、同社のグリッド技術が採用された先進事例として、自動車メーカー英Land Roverと中国浙江省運輸局の2つのケースを公表した。運行コストの削減、コンピュータ資源の有効活用などのメリットを実現するという。グリッドは商用分野にも広がりつつあり、IBMはオンデマンド戦略と連携させている。

 IBMによると、Land Roverは、IBMの自動車業界用ソリューション「IBM Automotive Engineering Innovation Framework(AEIF)」を中核コンポーネントに採用。エンジニア・設計段階で、グリッド、ミドルウェア、各種アプリケーションを統合して利用しているという。

 具体的には、「IBM Grid Clash Analysis」として、グリッドベースで仏Dassault Systemesの3DのCADソフト「CATIA V5」を利用し、事故シュミレーションや干渉チェックを行う。設計の精度を高めて生産に入ることができ、製品投入までの期間短縮につながっているという。また、製品ライフサイクル管理に「Grid Computing Product Lifecycle Management」を利用している。

 中国浙江省の運輸局では、データ連携プロジェクトにグリッド技術を活用する。現在、同運輸局では、グリッドとWebサービス技術を用いて、省内の100社以上の運輸会社のデータベースを連携させるシステムを構築中という。これにより、各社のバス路線、運賃、時刻表などの情報を共有でき、乗車券購入の簡素化、システムの効率性改善を目指す。同省では現在300万人が公共機関を利用しているが、新システムでは1000万人に対応できるという。

 グリッド技術では、米Sun Microsystemsや米Hewlett-Packardなども取り組みを進めている。IBMではIBM Business Consulting Servicesがシステムインテグレーションを担当し、製造業のほか、金融業界やライフサイエンス業界向けにもグリッドソリューションを提供している。



URL
  米IBM
  http://www.ibm.com/


( Infostand )
2005/03/25 09:31

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