米IBMは8月2日(米国時間)、2005年上半期のシステムへの攻撃動向をまとめた。無差別に送りつけるスパムメールは減少し、ウイルス添付メールやフィッシングが増加するなど、対象と目的を絞ってシステムを狙う傾向が強まっているという。また、最も狙われたのは政府機関だった。
IBMのGlobal Security Intelligenceチームは毎月、パートナー各社とともにウイルス添付メールの数などを集計し、「Global Business Security Index」としてまとめている。今回、今年上半期(1月-6月)の数字から攻撃のトレンドを分析した。
それによると、観測された攻撃の総数は2億3700万件を超えた。狙われた業種別に見ると、政府が最多の約5400万件で、以下、製造業(約3600万件)、金融(約3400万件)、ヘルスケア(約1700万件)の順。
メールによる攻撃の傾向としては、スパムメールが減少し、ウイルスメールやフィッシングが増加している。スパムメールの比率は、1月の83%から、6月には67%と減少。逆に、ウイルス添付メールの比率は、1月の35通中の1通から、6月には28通中の1通となり、増加率は年換算で50%となった。
また、フィッシングでは、スパイウェアを利用してユーザーの個人情報やデータを盗む「spear phishing」と呼ばれる手法が10倍に増えた。フィッシングの総数は、3500万件を超えている。
IBMは「対象を絞り、搾取、機密データや個人情報の窃盗、金銭を目的とした“カスタマイズ”攻撃にシフトしつつある」と分析している。
このほか、攻撃元の地域は、米国が最多で約1200万件、ニュージーランドの約120万件、中国の約100万件と続いた。曜日別に見ると、金曜日と土曜日が多かったという。攻撃のカテゴリーでは、プローブを使って端末の種類やソフトウェア、脆弱性を調べる偵察系(Reconnaissance)が1億800万件で最も多かった。
■ URL
米IBM
http://www.ibm.com/
( Infostand )
2005/08/03 10:40
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