Mozilla Foundationは8月3日(米国時間)、完全子会社のMozilla Corporationを設立したと発表した。オープンソースプロジェクトの成長に合わせ、開発とビジネスを分ける。Mozilla Corporationは営利企業として活動し、シェア拡大を目指す。
Mozilla Foundationは2003年にMozilla Projectを開始し、Webブラウザの「Mozilla Firefox」、電子メールクライアントの「Mozilla Thunderbird」などを開発・配布してきた。なかでもFirefoxは、米Microsoftの牙城を崩す勢いで、Webブラウザでのシェアは10%に達しつつある。同団体によると、これまでのダウンロード件数は7500万を数えるという。
新会社のMozilla Corporationは、プロモーション、マーケティング、出資など配布・事業面を管理する。Mozilla Foundationでは「収益を生むことを想定しているが、Mozilla Projectが目指すエンドユーザーの体験にフォーカスし、Mozilla Foundationの目標である公共の利益と一貫性を保つ」と述べている。Mozilla Foundationは引き続き、プロジェクトの管理、インフラ、ソースコードなど開発面にフォーカスする。
Mozillaはこれにあわせて人事異動も行っており、Mozilla Foundationの理事として、新たに伊藤穣一氏ら5人が加わった。代わりに、これまで理事を務めていた米Red HatのChirs Blizzard氏はMozilla Corporationに移った。Mozilla Corporationの社長にはMitchell Baker氏が、CTOには、Mozilla Projectの共同設立者のBrendan Eich氏が就任した。
Mozilla Projectの運用は従来通りで、Mozilla CorporationがFirefoxなどの独占ディストリビューターになることはないという。また、ボランティア開発者や企業などの関係者は開発、検証、組み込みなどに関して、新体制の影響を受けないとしている。
■ URL
Mozilla Foundation
http://www.mozilla.org/
プレスリリース(英語)
http://www.mozilla.org/press/mozilla-2005-08-03.html
( Infostand )
2005/08/04 08:55
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