米IBMは9月1日(米国時間)、欧州最大の銀行であるオランダのABN AMROと契約し、同行のIT業務を代行すると発表した。期間は5年間で契約額は約15億ユーロ(約2025億円)。久々の大型アウトソーシング契約となった。IBMは、ABN AMROのITインフラ管理、サポート業務、アプリケーション開発支援などを手がける。
ITインフラ管理では、IBMのデータセンター自動化技術「Universal Management Infrastructure(UMI)」を用いて、世界3カ所にある同行戦略事業部門のメインのデータセンターを管理する。同行のシステムは、IBMメインフレーム、各社のUNIX、IBM iSeriesのプラットフォームで構成されており、米EMCとIBMのストレージが接続されている。UMIを利用してこれらを自動管理することで、処理能力などのリソースをオンデマンドで調整して提供し、コスト削減につなげる。サポートでは、デスクトップPC、プリンタ、PDAのサポートをIBMのグローバルヘルプデスクが担当する。
また、この契約の一部として、IBMはInnovation Centerを立ち上げ、同行の新規金融製品を支えるITサービスを迅速に開発する。
ABN AMROによると、今回のITアウトソーシングではIBMのほかに4社と契約しており、契約額の合計は18億ユーロ(約2430億円)にのぼるという。同行は、2007年までに年2億5800万ユーロの削減を見込んでいる。また、現在約5000人いるITスタッフを最終的に1800人に縮小する計画で、約2000人がIBMをはじめとした委託先のITベンダー勤務となり、約1500人を今後1年半のうちに解雇するとしている。
■ URL
米IBM
http://www.ibm.com/
ABN AMRO
http://www.abnamro.com/
ABN AMROのプレスリリース(英文)
http://www.abnamro.com/pressroom/releases/2005/2005-09-01-en.jsp
( Infostand )
2005/09/02 08:49
|