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FSF、「GNU GPL v3」のドラフトを公開


 The Free Software Foundation(FSF)は1月16日(米国時間)、オープンソースソフトウェアのライセンス「The GNU General Public License Version 3(GPLv3)」の最初のドラフトを公開した。Webサイトで、パブリックコメントを受け付けている。6月にドラフト第2版を公開、正式版を2007年3月までに作成する計画だ。

 FSFが米マサチューセッツ工科大学(MIT)で開催した「International Conference」で発表した。ドラフトでは、DRM(デジタル著作権管理)技術の阻止、特許ライセンスの自動的付与、ライセンス互換性などの項目が新たに加わっている。

 DRMについては、GPLは「ユーザーが著作権を取得したプログラムを複製、修正、共有する自由を禁じる技術に本質として反対する」と述べ、DRM技術での利用を阻止している。

 ソフトウェア特許では、GPL下でソフトウェアを再配布する際には、その利用者に自動的に特許ライセンスを付与するとしている。ライセンスはロイヤルティーフリーで、地理的な制約も受けない。ドラフトでは、「GPLで配布されるコードとそれを利用したプログラムは、特許侵害訴訟の脅威から保護される」としている。

 他のライセンスとの互換性については、GPLv2ではGPL下で配布されているコードを取り込んだプログラムに対し、すべてのソースコード開示を求めていたが、v3ではアプローチを変えた。ドラフトでは、GPL下で配布されたコードを他のライセンスのコードと組み合わせてプログラムを作成・配布する開発者は、GPLに干渉しない場合に限り条項を付与できるなど、制約が緩和されている。GPLとGPL以外の条項を同時に守れるようにするためとしている。

 代表的なオープンソースライセンスであるGPLは現在、1991年に規定されたGPLv2が利用されており、v3は14年ぶりの改定となる。FSFでは今回、全員参加型の改定プロセスをとり、オープンソース分野を専門に法問題を取り扱うSoftware Freedom Law Center(SFLC)と共同で作成作業を行う。



URL
  The Free Software Foundation
  http://www.fsf.org/
  「GPL v3」ドラフト
  http://gplv3.fsf.org/


( Infostand )
2006/01/18 08:40

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