The Software Freedom Law Center(SFLC)は3月7日(米国時間)、ソフトウェアライセンスのGNU General Public License(GPL)に企業が違反した場合、米国企業改革法「Sarbanes-Oxley Act of 2002(SOX法)」で罰せられるという懸念について、「その心配は不要」との見解を明らかにした。
発端は、NetBSDなどを使ったオープンソースの組み込みシステムベンダー米Wasabi Systemsが掲示した声明文で、同社がこの中で、企業の情報公開を規定するSOX法の下では、改変したGPLソフトを公開しないなどのGPL違反が、同法に抵触する可能性があると示唆した。
これに対しSFLCは、「Sarbanes-Oxley and the GPL: No Special Risk」というタイトルのホワイトペーパーを発表して、「リスクはなく、懸念は不要」との見解を示した。
その理由として、1)SOX法順守の対象となるのは公開企業であり、ライセンスを利用している事業が自社にとって重要でない場合は証券取引委員会(SEC)の提出書類で開示する必要はない 2)SOX法順守を求められる企業は(GPLに限らず)全てのソフトウェアライセンスに関して順守コストを負担しなければならない 3)もしGPL違反がSOX法に抵触するとしても、故意でなければ違反は成立せず、企業や開発者が罰せられることはない―の3つを挙げている。
SFLC会長のEben Moglen氏は「この懸念は誤った情報が原因であり、GPLユーザーがSOX法違反に問われたことはない」と述べている。
■ URL
The Software Freedom Law Center(SFLC)
http://www.softwarefreedom.org/
SFLCのプレスリリース(英文)
http://www.softwarefreedom.org/news.html
「Sarbanes-Oxley and the GPL: No Special Risk」(英文)
http://www.softwarefreedom.org/publications/Sarbanes-Oxley.html
米Wasabi Systemsの声明文(英文)
http://www.wasabisystems.com/gpl/soxgpl.html
( Infostand )
2006/03/08 08:52
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