欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会(EC)は3月10日(現地時間)、米Microsoftの独占禁止法(EU競争法)違反問題について、同社が2004年3月の是正命令を履行していないという仮判断を下し、順守を求める書簡を送ったことを明らかにした。できない場合、昨年末の通告どおり、1日あたり200万ユーロ(約2億8000万円)の罰金を科す可能性があるとしている。
ECは2004年3月の是正命令で、ワークグループサーバーの相互運用性確保のため、インターフェイス情報の公開を求めている。Microsoftは今年1月、ソースコード開示に踏み切ったが、EU側はなお不十分としており、ここ数週間で、対立が深まっていた。
EUの発表は、順守状況を調べる専門機関、Monitoring TrusteeがMicrosoftが相互運用性情報を改定した後に再調査した結果を引用している。それによると、わずかな改善は見られるものの技術情報は実質的には何も付け加えられておらず、依然として不完全、不正確、利用できないとの結論に達したという。
また、EUが専門顧問として任命している知的所有権評価企業、米TAEUSの欧州支社の分析では、Microsoftの公開した文書は「自己矛盾」であり、「ページ量を増やし、利用価値のある情報を最小限にとどめる」ことを主たる目的で書かれていると結論付けた。TAEUSはこれを、自動車メーカーがタイヤがない車を出した後、エンジンがない、ハンドルがない、といった問題が出てくるようなものだとしている。
このため、ECはMicrosoftの情報は不完全、不正確との仮判断に至ったという。ECでは3月30日、31日に聴聞会を開き、その後諮問委員会と相談した後に正式な決定を下す。
■ URL
欧州連合(EU)
http://europa.eu.int/
プレスリリース(英文)
http://europa.eu.int/rapid/pressReleasesAction.do?reference=IP/06/298&format=HTML&aged=0&language=EN&guiLanguage=en
( Infostand )
2006/03/13 09:00
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