調査会社の米Yankee Groupは5月8日(米国時間)、2007年第1四半期の「Windows Vista」リリースによって、セキュリティ市場が少なからぬ影響を受けるという報告書を発表した。Vistaがセキュリティ機能を大幅に改善しているためで、セグメントによっては大幅に落ち込むという。
ウイルス対策ソフトなどWindowsセキュリティ市場を中心に、Vistaが与える影響を予想・分析した。それによると、現在のWindowsセキュリティ市場規模は36億ドルで、このうち、デスクトップファイアウォール、スパイウェア対策ソフトウェアなどがVistaリリースによって大きな打撃を受けるという。ほかにも、ディスク暗号化、デバイス管理などに大きな影響があるとしている。
ウイルス対策ソフトについては、法人市場を中心に大きな影響は受けないと予想している。それでも、ウイルス対策ソフトベンダー各社の市場シェアはわずかに縮小するという。
だが、Vistaのセキュリティ機能改善は、Windowsが抱えるセキュリティ問題を大きく改善することにはつながらないとみており、「Windowsのセキュリティ問題はずっと続き、サードパーティの市場は今後も存続する」と結論している。
また、Vistaの普及では、2年間でPC4億台というMicrosoftの予想よりも実際には下回るとみている。同社がセキュリティ機能を有償で提供することが、企業のアップグレードを減速させるため。
■ URL
米Yankee Group
http://www.yankeegroup.com/
プレスリリース(英文)
http://yankeegroup.com/public/news_releases/news_release_detail.jsp?ID=PressReleases/news_MicrosoftVista_Jaquith.htm
( Infostand )
2006/05/11 08:59
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