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FSF、「GNU GPL v3」の第3版ドラフトを公開


 The Free Software Foundation(FSF)は3月28日(米国時間)、オープンソースソフトウェアのライセンス「The GNU General Public License Version 3(GPLv3)」の最新ドラフトを公開した。最新版では、昨年11月の米Microsoftと米Novellの提携を受け、特許要件条項を追加するなど大幅な改定を行った。60日間、パブリックコメントを受け付ける。

 GNU GPLはLinuxカーネルなどが採用しているライセンスで、16年ぶりの改定となる。FSFでは2006年1月に最初のドラフトを、同7月に第2版を公開しており、今回のドラフトは第3版。第2版からの変更事項は主に次の4点となる。

  1. 初回違反者は、問題を30日以内に修正すれば自動的にライセンスを回復できる
  2. ライセンスの互換性の簡素化
  3. 製品にソフトウェアを搭載するメーカーは、ソフトウェアのインストール情報をソースコードと共に提供しなければならない
  4. ディストリビューターが特許所有者と組んで差別的な特許保護を提供できないようにする項目を追加

 なかでも、4.は先のMicrosoftとNovellの提携を受けて追加した。両社の契約では、LinuxでMicrosoftの知的財産権の侵害があった場合、Novellの顧客だけが保護されるという内容が含まれていたため、コミュニティの中からGPLライセンス違反として強い反発が起こっていた。

 FSF創設者のRichard Stallman氏は両社の提携について「(フリーソフトウェアを定義する)プログラムの4つの基本的自由(実行する自由、動作を研究・修正して取り入れる自由、コピーを再頒布する自由、改良して改良点を公衆に発表する自由)を過小評価するもの」と述べ、「こうした提携がフリーソフトウェアを侮辱することのないよう追加した」と説明している。

 FSFでは、第3版で大幅な変更を加えたことを受けて当初の予定を変更し、追加で再度ドラフトを作成する。今後60日間パブリックコメントを受け付け、得られたフィードバックをベースに「ラストコールドラフト」を作成、さらに30日間コメントを受け付けた後に正式版を発表する予定。正式版は6月末に完成させたいとしている。



URL
  The Free Software Foundation(FSF)
  http://www.fsf.org/
  GNU GPL v3のドラフト第3版
  http://gplv3.fsf.org/
  プレスリリース(英文)
  http://www.fsf.org/news/gplv3dd3-released


( Infostand )
2007/03/29 09:20

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