半導体ベンチャーの米Tileraは8月20日(米国時間)、64個のコアを搭載したプロセッサ「TILE64」を発表、出荷を開始した。メッシュ型の独自バスアーキテクチャで、性能を飛躍的に向上させたという。ネットワーク機器マルチメディア機器などの組み込み市場をターゲットとしている。
独自技術の「iMesh(Intelligent Mesh)」アーキテクチャが特徴。この技術は、内部接続をオンチップバス接続ではなく、各コアにコミュニケーションスイッチを置いて、メッシュ状の構造で行う。このためデータの流れが集中せず、コア数を増やしても“渋滞”が起こるのを回避できるという。既存のマルチコアプロセッサが抱える拡張性の限界の問題を解決し、数百、数千のコアも可能としている。
各コアはL1、L2キャッシュを備え、さらに分散L3キャッシュも持つ。また、コア、メモリ、I/Oの通信帯域を高速化した。それぞれのコアでOSを動作させることができる。米Intelのデュアルコア「Xeon」の10倍のパフォーマンスを発揮し、1ワットあたりパフォーマンスでは30倍以上になるとしている。TILE64は動作周波数などが異なる3タイプがあり、価格は1万個ロットで1個あたり435ドルから。
また、ソフトウェアツールセットとして、Eclipse、C言語をベースに、マルチコアデバッギングなどのマルチコア向けの機能を備えた「Multicore Development Environment」を提供する。
Tileraはマサチューセッツ工科大学の研究者、Anant Agarwal博士が2004年に創設したファブレス企業。Agarwal博士は1996年にメッシュベースのマルチコアアーキテクチャを発明し、Tileraはこの技術に基づくチップの開発を行う企業としてスタートした。40以上の特許を保有するという。
■ URL
米Tilera
http://www.tilera.com/
プレスリリース(英文)
http://www.tilera.com/news_&_events/pr_070820.php
( Infostand )
2007/08/21 11:01
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