米Gartnerは1月10日(現地時間)、これまで急成長してきたビジネスインテリジェンス(BI)市場が今後、1ケタ成長に鈍化するとの予測を発表した。同社は今後5年間の年平均成長率を8.6%と予想している。
Gartnerによると、2007年の成長率は前年をわずかに下回る12.5%だったが、これで2ケタ成長の時代は終わるという。今後5年間の平均成長率は8.6%で、2011年の市場規模を70億ドルと見積もっている。
成長率が鈍化する要因としては、ベンダー統合、機能の成熟、価格などを挙げている。ベンダー統合では2007年に、米Oracleが米Hyperionを買収したほか、米IBMがカナダCognosを、独SAPが仏BusinessObjectsをそれぞれ買収すると発表している。現在、Oracle、IBM、SAPの大手3社でBI市場の3分の2を占めており、米SASなどの専業ベンダーはプッシュが必要という。
また機能面でも、クエリ、レポート、OLAPは基本機能となり、もはや差別化要因にはならないとしている。今後は、ダッシュボード、エンタープライズ検索、インタラクティブな仮想技術、インメモリ分析などの新技術が盛り込まれると予想している。SaaS形式も注目されるという。
同社は、企業がデータを資産にしつつあり、BIの重要性は今後も変わらないとしたうえ、BIをよりユーザーフレンドリーにして、コラボレーション機能を強化することで、すべてのビジネスユーザーが利用できるようにすべきだとアドバイスしている。
■ URL
米Gartner
http://www.gartner.com/
プレスリリース(英文)
http://www.gartner.com/it/page.jsp?id=580708
( Infostand )
2008/01/11 09:09
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