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米Microsoftが米Yahoo!買収を撤回-提示額上積みするももの別れ


 米Microsoftは5月3日(米国時間)、米Yahoo!への買収提案を撤回すると発表した。最終段階で提示額を約50億ドル引き上げたものの、Yahoo!と合意には至らなかった。Steve Ballmer CEO氏は「株主、従業員の利益のために判断した」としている。2月の提案から約3カ月続いた大型買収の攻防は、ひとまず終了となる。

 Microsoftは、4月5日にYahoo!に書簡を送り、「3週間以内に回答しなければ、敵対的買収も辞さない」と通告。この期限を過ぎて、両社の出方が注目されていた。4月末から5月にかけて集中的に行われた協議では、Microsoftが当初のYahoo!株1株あたり31ドルという買収提示額を33ドルに引き上げたが、Yahoo!側は、なお評価が低すぎるとして拒否。1株あたり37ドルを主張したという。

 Microsoftは3日に公表したYahoo!のJerry Yang CEOあての書簡のなかで「慎重に考慮した結果、Yahoo!の要求は到底、納得いくものではない。撤回が、Microsoft株主や従業員らの利益に最もかなう」と説明している。

 あわせて、Yahoo!がGoogleの検索広告システムを試験導入したことについて、「Yahoo!自身の戦略と長期の生き残りの可能性から考えれば、基本的に弱体化を進めるものである」と述べ、さらに「Microsoftが求めている広告システムの優秀なエンジニアの流出を招く」と非難した。

 一方、Yahoo!側は「われわれは一貫して、Microsoftの提示額が低すぎると考えており、多くの株主がこの主張を支持してくれたことを喜ばしく思う」「これで、われわれの歴史のなかで最も重要な移行のために全エネルギーを集中することができる」と歓迎のコメントを発表している。



URL
  Microsoftの発表、Yahoo!への書簡
  http://www.microsoft.com/presspass/press/2008/may08/05-03letter.mspx
  Yahoo!のコメント
  http://yhoo.client.shareholder.com/releasedetail.cfm?ReleaseID=308131


( Infostand )
2008/05/07 08:52

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