米国の著名投資家、Carl Icahn氏が5月15日(米国時間)、米Yahoo!に書簡を送り、米Microsoftとの買収交渉を再開するよう公式に求めた。Yahoo!株主総会で提案する10人の取締役候補の名簿も添付しており、「買収交渉を開始しなければ委任状争奪戦に持ち込む」とプレッシャーをかけている。
Icahn氏は“Corporate Raider(企業乗っ取り屋)”の異名を持つ大富豪の投資家で、このところYahoo!株の取得を進めていることが伝えられていた。15日は取締役候補名簿提出の期限にあたる。株主総会は7月3日の予定。
書簡はYahoo!のRoy Bostock会長あてで、Microsoftの買収提案を拒否したYahoo!取締役会の判断を「理性がない」としたうえ、1株あたり33ドルというMicrosoftの提示額は「優れた選択肢だった」と評価。「(両社が合併すれば)Googleと対抗する強い勢力になる」としている。
Icahn氏はこの10日間で、発行済みYahoo!株式の約4.9%にあたる5900万株を取得しており、さらに買い増す方針。米連邦取引委員会(FTC)から最大25億ドル相当まで購入する許可を取り付けているという。また、書簡ではYahoo!が「株主およびMicrosoftの信頼を失った」とし、多くの株主から委任状争奪戦に持ち込むよう依頼されたとしている。
Icahn氏は最近も株主として、米Oracleによる米BEA Systemsの買収、米Motorolaの携帯電話事業分離などを実現させており、両社がどう動くのかが注目される。
■ URL
米Yahoo!
http://www.yahoo.com/
米Microsoft
http://www.microsoft.com/
The Wall Street Journalが掲載したIcahn氏の書簡(英文)
http://online.wsj.com/article/SB121085857566295249.html?mod=US-Business-News
( Infostand )
2008/05/16 09:00
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