米Microsoftは3月18日(米国時間)、最新Webブラウザ「Internet Explorer 8(IE8)」の正式版を、3月19日(日本時間の3月20日)より提供開始することを明らかにした。日本語版を含む25言語版が公開される予定。また、RIA(リッチインターネットアプリケーション)プラグイン「Silverlight 3」のベータ版、デザイナー向けツール「Expression Blend 3」のプレビュー版、「Azure Services Platform」のアップデートも発表され、Silverlight 3のベータ版は、すでに同社のWebサイトで公開されている。
IE8は「速さ」「便利さ」「安心」の3つが特徴。「速さ」では表示性能の改善が行われており、世界でもっとも著名な25のサイトで表示速度を検証したところ、12のサイトでもっとも早くページを表示できたという。また「便利さ」では、アクセラレータ、Webスライス、検索候補といった新機能によって利便性を向上。ベータ版やRC(開発候補)版の時点から新機能のアドオンも提供されており、すでに100種類以上が実装済みという。さらに「安心」では、ClickJacking保護機能の追加、プライバシー保護機能の強化などがなされている。
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Microsoft アジア地域 サーバー&ツールビジネス担当 UXプラットフォーム&ツール戦略ゼネラルマネージャー、フォレスト・キー氏
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Silverlight 3の新機能
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Webブラウザの外でアプリケーションが利用できるようになるという
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また、最新のベータ版が公開されるSilverlightについては、Microsoft アジア地域 サーバー&ツールビジネス担当 UXプラットフォーム&ツール戦略ゼネラルマネージャー、フォレスト・キー氏が、現況と、Silverlight 3で追加される新機能を説明した。
キー氏によれば、Silverlightはリリースから18カ月で3億以上がダウンロードされ、デザイナーと開発者はすでに40万人を超えたという。また、アカマイが1月からHDビデオのストリーミングを開始。Yahoo!がWBCの動画配信を3月16日から開始するなど、パートナーも順調に増加している。さらに自社での採用も進んでおり、200以上のMicrosoft製品やWebサイトがSilverlightベースで提供されるようになった。
新機能としては、GPUレンダリングやH.264コーデックのサポートにより、より高品質のHD映像をサポートしたほか、新しいコントロール、データバインディングのサポートなどでRIAの生産性が強化されている。
しかしもっとも重要なのは、「Webブラウザの外でアプリケーションが実行できる点」(キー氏)だ。開発者がSilverlightアプリケーションに簡単な仕掛けを施すことで、デスクトップやスタートメニューなどにアプリケーションを登録し、Webブラウザ外で実行できるようになるという。
なお、この仕組みをユーザーが導入するためには、Silverlight 3のランタイムをインストールするだけ。ランタイムのサイズも従来版と同様であり、入手にあたって大きな負担になることもないとのこと。キー氏はこの機能について、「コンシューマ向けでは、オンラインに限定されないより深いつながりを実現できる。ビジネス向けでは、基幹アプリケーションへのデータ入力などをイントラネットにつながずに行い、社内に持って帰った後で同期する、といった使い方も可能になる」とコメント。活用の幅が広がることをアピールした。
■ URL
米Microsoft
http://www.microsoft.com/
Silverlight 3のベータサイト(英文)
http://silverlight.net/GetStarted/silverlight3/default.aspx
プレスリリース(英文)
http://www.microsoft.com/presspass/press/2009/mar09/03-18MIX09PR.mspx
http://www.microsoft.com/presspass/press/2009/mar09/03-18IE8AvailablePR.mspx
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( 石井 一志 )
2009/03/19 14:41
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