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カシオ、データプロジェクター市場へ参入

モバイルプロジェクター2機種を発表

カシオ計算機株式会社 代表取締役社長 樫尾和雄氏
 カシオ計算機株式会社は10月15日、データプロジェクター「CASSIOPEIA PRO」シリーズの「XJ-450」、「XJ-350」を発売し、同市場へ参入することを発表した。マルチプロジェクターカメラシステム「YC-400」もあわせて発売する。XJ-350は438,000円で12月に、XJ-450は568,000円で、YC-400は258,000円でともに2004年2月に発売する。

 製品発表の場に久しぶりに姿を見せた代表取締役社長の樫尾和雄氏は、今回の参入を技術的な側面から語り、「当社のコアコンピタンスである、エレクトロニクス技術、工学技術、小型にする実装技術のそれぞれを十分に生かすことの出来る市場。今回の製品は、業界でもっとも小型のプロジェクターで、十分な輝度を確保するのは困難だったが、業界初の2倍ズームを搭載するなど、モバイル用として画期的な製品となった」とした。


カシオ計算機株式会社 開発担当取締役 高須正氏
 同社開発担当取締役の高須正氏は、今回の市場参入コンセプトとして、ノートパソコンの普及拡大を背景にしたプレゼンテーション需要の拡大を挙げた。今後は、同製品の「小型で明るく、どこでも簡単に使える」点から、プロジェクターの用途を「プレゼンテーションからディスカッションのツールへ」と拡大したいとした。このため、新聞や雑誌、カタログなど、多種多様な情報によるディスカッションを想定し、プロジェクターの活用範囲を広げるマルチPJカメラシステム「YC-400」もあわせて発売することとなったという。

 同社によれば、データプロジェクターは昨年度実績で世界で165万台出荷されており、市場規模としては5000億円程度と見られ、現在年率20%強の伸びを見せている。同社では、この市場が将来的には1兆円になると見ており、さらに現在主流を占めている据置型よりも、今後はモバイル型の伸びが大きいとして、今回の市場参入に至った。

 同社では、量販店などの店頭売りはせず、企業への事務機の流通ルートや電子辞書などの学販、企業・学校などの法人向けの直販での販売を行い、年間3万台、今年度は10~20億円、来年度には100億円の売り上げと、モバイルプロジェクターでは30%以上のトップシェアを目指す。


 「CASSIOPEIA PRO」シリーズは、持ち運び可能な筐体に、60インチスクリーンの場合で、160~320cmの間に設置が可能な広角2倍ズームを装備しており、照明を消さずに利用できる2200ルーメンの高輝度を実現している。1,024×768ドットの表示に対応しているほか、1,600×1,200の圧縮表示も可能。

 XJ-450は、B5ファイルサイズ、2.4kgのモバイルデータプロジェクター。明るさは2800ルーメンとなっている。また上下左右30度の設置角度に対応する縦横自動台形補正機能と、オートフォーカス機能を装備している。またXJ-350では、A5ファイルサイズ、1.8kgの携帯性で2200ルーメンの高輝度を実現している。

 YJ400は、折りたたむとB5ファイルサイズになり、書画カメラ部分には同社のEX-Z3と同スペックとなる400万画素カメラを搭載し、取り外しも可能。ドキュメントからホワイトボードまでを投影でき、紙の状態を認識して、曲がりや色合い、サイズを自動補正して表示する自動アジャスト機能による表示と、リアルタイム投影とを自動で切り替えることも可能となっている。


B5ファイルサイズの「CASSIOPEIA PRO XJ-450」 A5ファイルサイズの「CASSIOPEIA PRO XJ-350」 マルチPJカメラシステム「YC-400」


URL
  カシオ計算機株式会社
  http://www.casio.co.jp/
  プレスリリース
  http://www.casio.co.jp/release/2003/xj350_450_yc400.html


( 岩崎 宰守 )
2003/10/15 15:17

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