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代表取締役社長 鈴木 康正氏
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日本ネットワーク・アプライアンス株式会社(以下、日本NetApp)は12月9日、データストレージ「NearStore R200」「NetApp FAS980シリーズ」、同時に異なる2つのHDDで障害が発生してもデータが失われない「RAID-DPテクノロジ」、ストレージゲートウェイ「エンタープライズgFiler」の機能拡張などを発表した。
これらは、12月2日(米国時間)の米Network Appliance,Inc.の発表をうけたもので、日本では2004年の1月より順次提供されるとのこと。日本NetAppの代表取締役社長、鈴木 康正氏によれば、製品・技術などをまとめて発表した背景には、同社のエンタープライズ分野への取り組み強化があるという。
■ 最大32TBのハイエンドファイラー、「NetApp FS980」
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NetApp FAS980
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NetApp FAS980は、同社のプライマリストレージとして提供されているファイラーの最上位機種にあたる製品。以前の最上位機種であったFS960が最大24TBの容量であるのに対し、FAS980では最大32TBに容量が拡大されたほか、スループットをFAS960比で最大で45%向上させた。また、NFS、CIFS、SAN(FCPとiSCSI)など幅広いプロトコルをサポートするのは従来と同様で、SAN、NASの区別なくデータインフラを統合することが可能という。なお、クラスタモデルのFAS980c(最大64TB)も同時に発表されている。
■ 最大96TBまで拡張可能なニアラインストレージ、「NearStore R200」
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NearStore R200
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NearStore R200は、ディスクtoディスクのバックアップや、頻繁に書き換えが起こらないデータの格納などに利用される、ニアラインストレージの最上位モデル。最小8TBからの導入が可能で、8TBごとに拡張できるように設計されており、最大では96TBの容量が搭載可能となっている。
また同時に、サーバーやストレージに格納されているデータをニアラインストレージにバックアップするためのソフトウェア「SnapVault」の機能強化が発表された。今回のバージョンアップでは、オープンファイルのバックアップが可能になり、Windows Server 2003やLinux、AIXなどに新たに対応した。また、Windows Server 2003のVSS(ボリュームシャドウコピー)にも対応している。
■ パリティを2つ持った「RAID-DPテクノロジ」
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RAID-DPテクノロジの概念図。DP(ダイアゴナルパリティ)はすべての個所にストライプされている(黄色は1+2+1+8=12)
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RAID-DPテクノロジは、従来のRAID4を拡張した方法で、「RAID1と同等、もしくはそれ以上の信頼性を、低コストで実現できる」(鈴木氏)というもの。パリティを書き込むディスクを、RAID4の1つからRAID-DPでは2つに増加させ、同時に2つのHDDで障害が発生しても、復旧を可能とした。
運用コストはRAID4/5と同等で、現在NetAppが採用しているWAFL RAID4環境からも容易に移行できるとしており、同社のストレージ用OS「Data ONTAP」の新バージョン6.5から導入される。鈴木氏によれば、「当社のストレージはすべてONTAPという共通プラットフォームの上で動いているため、ほぼすべての製品で導入が可能」という。
「エンタープライズ用途にストレージを導入した場合、今まで以上に信頼性に気を使う必要がある。HDD単体では100%の信頼性を実現することは不可能なので、システム全体でいかにそれを向上させるかという答えの1つが、RAID-DPだ」(鈴木氏)。
■ 既存のSAN環境をNASとして利用する、「エンタープライズgFiler」
エンタープライズgFilerは、SAN環境をNASとして利用するためのゲートウェイアプライアンス。すでにHitachi Data SystemsのSAN対応ストレージには対応をしているが、今回はIBMのEnterprise Storage Server(モデル800やF20など)に対応した。また、今回よりiSCSIもサポートするほか、複数の同製品間での負荷分散を簡素化するSnapMoverも新たに発表された。
■ URL
日本ネットワーク・アプライアンス株式会社
http://www-jp.netapp.com/
( 石井 一志 )
2003/12/09 18:24
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