EMCジャパン株式会社は2月10日、同社のラインアップ全体におけるシステムの刷新、機能拡張を発表した。今回発表されたのは、ハイエンドモデルのSymmetrix DMX-2、ミッドレンジのCLARiX CX300、CX500、CX700システム、NAS(Network Attached Storage)ゲートウェイのCelerra NS700G NASゲートウェイ、CAS(Content Addressed Storage)のCenteraなど。
■ パフォーマンスが2倍に向上したSymmetrix DMX-2
Symmetrix DMX-2は、ハイエンド向けのストレージ製品。今回発表されたモデルでは、CPUを従来のPower PC 500MHzからPower PC 1GHzと速度を2倍にアップ。また、キャッシュメモリも、従来の16GBから32GB(最大256GB)と容量を2倍にアップするなど、パフォーマンス全体を従来の2倍に引き上げられているのが特徴。また、データ・イン・プレース・アップグレード(データをストレージに格納したまま、アップグレードを行うこと)により、既存のSymmetrix DMXシステムでも利用可能となっている。
■ コストパフォーマンスが向上したCLARiX CXシリーズ
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CXシリーズの概要
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CLARiX CXシリーズは、ミッドレンジ向けのストレージ製品。今回発表されたモデルは、CX300、CX500、CX700の3製品。全製品で、SAN環境でのデータコピーの所要時間の短縮、SnapViewのExchangeおよびSQL Serverとの統合による高可用性の提供など、レプリケーション機能が強化されている。
CX300は、従来製品「CX200」の後継機種で、CXシリーズのエントリーモデル。DASやSAN機能が必要とされるワークグループをターゲットとしている。CX500は、従来製品「CX400」の後継機種で、ローカルとリモートでのレプリケーションが必要な部門レベルでの利用をターゲットとした製品。CX400からの互換アップグレードに対応している。CX700は、従来製品「CX600」の後継機種で、ミッドレンジ市場向けの最上位モデル。データセンターでの利用をターゲットしており、最大240ドライブまで拡張が可能。データ転送速度はこのクラスで初の200,000 IO/秒を達成するなど、性能面での向上を特徴としている。CX600からの互換アップグレードに対応。
■ 容量の増加など機能向上を行ったCelerra NS700G NASゲートウェイ
Celerra NS700G NASゲートウェイは、エンタープライズ向けのNASゲートウェイ。柔軟性の高い階層型ストレージ・オプションをサポートし、容量の大幅な拡大、管理性の向上によりコスト削減を実現するとしている。NS700Gは、Data Mover1台または2台の構成で提供される。なお、2003年10月に発表されたNS600Gについては、価格を見直した上で継続して提供されるとのこと。
■ メインフレームに対応したCentera
Centeraは、メインフレームおよびオープンシステムベースのフィックスコンテンツを管理/保存する際の課題を解決するために設計されたストレージソリューション。価格は、3.78TBで、2000万円から。
■ 直販からパートナーモデルに変革する
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代表取締役社長の中山隆志氏
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同社代表取締役社長の中山隆志氏は、2004年の同社の戦略に触れ、「これまでは情報システム部門中心のビジネスであったが、ILM(情報ライフサイクル管理)を具体的に実現するソリューションプロバイダとして、ユーザー企業の問題解決を手助けする体制にしていく。それに伴い、これまで直販中心であった体制をパートナーとの協業を中心とした体制に変更した」と、顧客のニーズに合わせて、従来の直販からパートナーモデルへ大きく変革している点をアピールした。
■ URL
EMCジャパン株式会社
http://www.emc2.co.jp/
( 福浦 一広 )
2004/02/10 18:35
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