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日本IBM、Xeon MP 3.2GHzを搭載するブレードサーバーの新製品を発売


BladeCenter HS40
 日本アイ・ビー・エム株式会社は、ブレードサーバーの新製品として、Xeon MP 2.8GHz搭載の4Wayブレード「IBM BladeCenter HS40」と、既存モデル「BladeCenter HS20」に、2MBキャッシュのXeon 3.2GHzを搭載した新モデルを2月18日より発売する。

 BladeCenter HS40は、これまでのHS20の倍の厚みのブレードに、Xeon MP 2.8GHzを4基搭載可能な製品。7Uサイズの筐体であるBladeCenterには7枚まで搭載できる。2WayであるHS20を14枚搭載しても、同様に最大CPU数28となるが、同社によると「基幹系データベースなど高負荷の処理に特に適している」という。


日本アイ・ビー・エム株式会社 システム製品事業部 斎藤 彰宏氏
 同社のブレードサーバーでは、CPUにXeonを採用しているのが特徴的な点となっており、この構成の製品では80%を越えるシェアを占めている。またブレード部分はファンレスであり、電源やファンなどは二重化された筐体「BladeCenter」側に搭載されている。同社システム製品事業部の斎藤 彰宏氏は、「筐体内を上下に分けることで完全に二重化されている。これはシステム停止が許されない基幹系での利用では必須と考えている」と述べた。

 そのなかにXeonを搭載するブレード「HS20/HS40」のほか、PowerPC 970を搭載するUnixブレード「BladeCenter JS20」を混在して搭載できる。またGigabit EthernetやFCスイッチのモジュールやSCSI拡張ユニットの収納も可能なため、主なハードウェアを筐体内に統合できる。さらにBladeCenterの筐体を6台収容できるラックも用意されており、物理的な場所を必要としない。

 またBladeCenterには管理用のハードウェアモジュールが用意されている。これは「ソフトウェアと違ってOS立ち上げ前から、14枚のBIOS設定をリモートで変更できる」もの。ネットワークの設定やファンや電源の稼動状態、温度監視なども行える。このほかBladeCenterシリーズには、同社がメインフレームで培ってきた技術が反映されており、「障害に対しては、故障したブレード、そしてメモリなどのハードウェアをLEDで知らせるため、問題点の切り分けがすばやく行える」という。

 同社のブレードサーバーの特徴として斎藤氏は、「企業ではサーバーリソースが最適化できていなかった。これをブレードサーバーによるスケールアウトのシステムによりリソースをプールし、障害発生時には自動的に割り当てたり、高負荷時に自動配分することで、「当初のTire1層から、これまでのブレードサーバーではTier2までがターゲットとなっていた。信頼性を高めることでこれをTier3までに広げることが可能になる。この場合、システム構築コストを51%削減できる」とした。


BladeCenterの製品ラインアップ。HS40は、オプションのU320 SCSIストレージ拡張ユニットにも新たに対応しているほか、最大搭載可能メモリも16MBに拡張されている 通常のデータセンターのシステム。複数のサーバーが複雑なネットワークで結ばれている BladeCenterを用いることで、上図のような構成で同様のシステムを構築できる

 そして同社の提唱するDisk-Freeのコンセプトについては「CPUやメモリは、データを運用するための部品でしかないため、いかに柔軟に変更できるかが重要だが、ハードディスクは交換不能なデータを格納するために高い信頼性が求められる」と述べ、「ストレージ部分はSANを用いてこの2つを切り離して管理することで、ディスク部分にのみメンテナンスを行えばすむことになる」と語った。さらに「ディスクを切り離すことで駆動部分も減って信頼性も上がるほか、1枚ごとにRAIDを組んだ場合と比べ大幅にディスク領域を節約できる」とした。


ストレージ領域を各ブレードに割り当て、SANからブート可能。Gigabit Ethernetポートを用いても「現在でも転送速度はIDEやU160 SCSIより上」。パフォーマンス的な問題もクリアされている。 各々にディスクを搭載しRAIDを構成した場合と比べ、大幅なストレージ領域の節約が可能だ 同社では将来的にはデータセンターにストレージを集中し、インターネット経由で接続する

 同社のオートノミックの技術とブレードサーバーのシステムによるデモも行われた。ディスク部分はSANで運用されているため、稼動中に引き抜かれたブレードが行っていた処理はそのまま別のブレードに引き継がれる。また高負荷状態になった場合には、予約されているブレードが自動的に処理を開始する。


BledeCenter稼働中に1枚のブレードが引き抜かれた。下は接続されているSANストレージ 管理画面では停止したブレードが赤く表示され、自動的に処理が引き継がれる 左からHS40、HS20、オプションのSCSI拡張ユニット。上はネットワークスイッチのユニットとなる


URL
  日本アイ・ビー・エム株式会社
  http://www.ibm.com/jp/
  ニュースリリース
  http://www.ibm.com/news/jp/2004/02/02181.html


( 岩崎 宰守 )
2004/02/18 19:52

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