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エンタープライズストレージ・サーバ統括本部 ネットワークストレージ製品本部 本部長 伊藤 重雄氏
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日本ヒューレット・パッカード株式会社(以下、日本HP)は2月19日、ハイエンドストレージにおいて、導入した容量に応じて料金を支払うストレージプログラム「CBP(Capacity Based Payment) for StorageWorks」を同日より提供すると発表した。対象製品は「HP StorageWorks XP128/1024」と「HP StorageWorks EVA5000」。必要とする最大HDD容量、RAID構成、HDD速度などにあわせ、14のラインアップが用意された。導入は最少2~4TBから1TBきざみで行え、サンプル価格は400万円/TBから。
通常、ストレージを導入するためには、必要な容量分のHDD以外にもストレージの筐体(フレーム)や制御ユニットなどのハードウェア、バックアップ・ストレージ管理などのソフトウェアを購入しなくてはならないため、HDD以外の部分にかかる料金は意外に大きくなるという。また容量拡張の際には、ソフトウェアの追加ライセンス購入や、導入サービスの費用なども必要になり、実際の費用が見えにくいという問題もあった。そこで日本HPでは、ユーザーにおける導入時の負担を軽くすることなどを目的として、導入・設置、3年間の保守から、ストレージ管理、データ複製などのソフトウェアも含めてオールインワンパッケージ化し、単純な料金体系でユーザーへ提供する。
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従来の販売方法とCBP for StorageWorksの違い
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エンタープライズストレージ・サーバ統括本部 ネットワークストレージ製品本部 プロダクトマーケティング本部 諏訪 英一郎氏
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同プログラムでは、あらかじめ日本HPのストレージ部隊の営業がユーザーのビジネスに対してコンサルティングを行い、スタート容量と2年後に必要としているであろう容量(ゴール)を決め、使用するストレージシステムとサービスレベルをベースに価格を決定する。たとえば導入時容量3TB、TB単価が1,000万円に設定された場合は、最初に3,000万円で導入でき、その後は必要に応じて1TBにつき1,000万円で増設を行うことになる。同社が想定している通常のケースでは、導入時には本来かかる費用(=HDDやフレームなどの合計)の半額以下で済むという。
また、「ストレージは、ビジネスが伸びていけばいくほど容量が必要になるはず。その際にはニーズにあわせて適正に増設していけるよう、容量あたりいくらのシンプルな価格構成にした」(エンタープライズストレージ・サーバ統括本部 ネットワークストレージ製品本部 本部長 伊藤 重雄氏)ため、わかりにくい料金体系を払しょくし、導入後の増設計画を容易にするというメリットもある。
現在ほかのベンダーなどで提供されている従量課金制との違いについては「使った分だけ課金する従量課金の場合は、一時期だけ負荷があがるような、使用量が場合によって増減するお客様に適した方法。ストレージのような大半のお客様が右肩上がりを前提としているようなものでは価格メリットを出しにくく、今回のプログラムの方が向いているのではないか」(同 プロダクトマーケティング本部 諏訪 英一郎氏)とのこと。
なおこのプログラムでは、「最終的に容量がゴールに届かなくても、ユーザーはリスクを負わない」(伊藤氏)という特長もある。つまり、15TBをゴールとして設定したときに諸事情で10TBまでの購入で止まってしまったとしても、残りの5TB分を支払う必要はない。ベンダー側としてはリスクを負う形となり、あまりにもそういうユーザーが多ければかなりの負担になりかねないのだが、伊藤氏や諏訪氏が再三「ストレージは全体としては右肩上がりの成長をしている」と語ったように、日本HPでは十分に成算があるのだろう。
■ URL
日本ヒューレット・パッカード株式会社
http://www.hp.com/jp/
プレスリリース
http://www1.jpn.hp.com/info/newsroom/pr/fy2004/fy04-060.html
( 石井 一志 )
2004/02/19 18:54
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