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米ClearCube、PCブレードで日本IBMと提携


 米ClearCubeが、日本IBMと提携し、ClearCubeのPCブレード製品などの国内販売を開始した。来日した同社のストラテジック・アライアンス担当副社長ジェームズ・イスベル氏は、「日本IBMとの提携によって、金融分野などの顧客を対象としたアプローチが開始でき、日本市場への重要な足がかりができた。今後、日本IBM以外にも協業の幅を広げて、日本での事業を加速したい」と意欲を見せた。


ストラテジック・アライアンス担当副社長ジェームズ・イスベル氏

Client Blade(下)とC/Port
 同社が投入しているPCブレードとは、オフィスの机の上にあるデスクトップパソコンや、ノートパソコンの機能をブレード状の筐体にし、これをラックに収納して集中管理。利用者の机の上には、USBポートなどを搭載した「I/Port」および「C/Port」と呼ばれるボックスを設置し、ここにディスプレイや必要とされる周辺機器などを接続して利用する。

 米国では、金融サービス業やコールセンター、営業窓口業務などでの導入実績があり、これらのユーザーでは、IPポートに複数のディスプレイを接続して利用するといった形での導入が多いという。

 デスク上の省スペース化が図られるとともに、これまでパソコンが物理的に分散していたことで一元管理が難しかった管理部門の業務が、PCブレードの集中管理によって制御しやすくなるといったメリットがある。

 「既存のパソコン環境に比べて、約40%のサポートコストの削減を実現できた例もあり、ほとんどの企業で多大なコスト削減の成果をあげている。セキュリティ対策が容易になるほか、情報システム部門の手を離れていたパソコンの管理と制御が、再び情報システム部門の手に戻ってくることになる」(イスベル副社長)という。

 PCブレードは、BTO形態で提供され、ユーザーの要求によって、CPUやメモリ、ハードディスクなどは選択が可能。CPUにはインテルを搭載している。一方、C/PortおよびI/Portには、標準形態としてUSBを2系統、オーディオ/ビデオ端子、PS/2キーボード、マウス接続端子を搭載しており、C/Portではハイレゾリューションモニターへの対応が可能となっている。また、I/PortではCAT5ケーブルにより、最大200mまでの接続延長が可能になる。

 C/PortおよびI/Portのサイズは、幅211mm×奥行き127mm×高さ32mm。

 PCブレードを搭載するゲージには最大8個のブレードを搭載することが可能で、ラックには最大14個のゲージを収納できる。


1つのケージには、最大8つのブレードが入る ラックには、最大14個のケージを収納できる

 また、ハードウェアのトラブルモニターや、遠隔地からのパソコンの立ち上げ、インベントリー管理、障害発生時に他のPCブレードに移行するための各種管理ソフトを提供しており、「組織改革やエンドユーザー部門の引っ越しの際にも、パソコンを移動することなく、必要に応じてデータを移動させることも容易にできる」(ケネス・ノッツ副社長)としている。

 同社では、今後、日本IBM以外にも、日本におけるパートナーを増やす考えで、日立の関連会社などと協業に向けた契約を進めている段階。「業種ごとに強いパートナーと組みたいと考えている。4つの主要なパートナーと、6~8社のカテゴリーごとに特化したパートナーと契約することで、日本市場を網羅できると考えている」(イスベル副社長)という。



URL
  米ClearCube
  http://www.clearcube.com/


( 大河原 克行 )
2004/03/10 16:46

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