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富士通、Efficeonを搭載した組込用途向け小型PCを提供


組み込み向けPC「IPC60」のプロトタイプ(左)。右は一般的なFDD

IPC60のシステム構成図
 IP-processorコンソーシアムは3月19日、同コンソーシアムの仕様に基づいた組み込み向けカートリッジ型PC「IPC60」を開発したと発表した。同PCは、同コンソーシアムのメンバーである富士通株式会社により、高機能タイプの「IPC60S」と低価格タイプの「IPC60G」の2製品として、同社からコンソーシアム会員に対して提供が行われる。価格は個別見積対応だが、5万台ロット購入時の1台あたり参考価格は、IPC60Sが標準構成で150,000円、IPC60Gが最小構成で50,000円。

 IPC60は、同コンソーシアムが仕様を討議、決定しているIP-processorの仕様にそった製品。IP-processorはIPのみ会話可能なPCで、HDDを利用せずにメモリのみで動作することから、安定かつ高速な動作が可能という。

 今回発表された2製品は、要望が多かったという組み込み機器向けに開発されたもので、3.5インチFDDとほぼ同じサイズ(100×160×25.4mm)への小型化を達成。定期交換部品(バッテリ)の外付け化などで10万時間連続運転(設計目標値)を可能にしたという。また、同製品ではCPUにEfficeon(1~2GHz)を使用しており、8W(1GHzの最少構成時)の低電力化を実現、1.5GHzまではファンレスで動作する。OSはLinux、Windows、UNIXなどx86系で動作するものは基本的に利用可能。インターフェイスは1000Base-Tや100Base-TXなどのネットワーク系のほか、USB、シリアルATA、IDE、PCMCIA(16/32ビット)などを持ち、従来製品では使用できなかったストレージデバイスの接続も行えるとのこと。

 IPC60Sではこれらの機能に加え、IP-processorの特長でもあるネットワークを介した監視・制御・操作の機能を持つ「スーパーバイザ」を搭載しているため、1,000台以上の同製品をセンターから一括制御することができる。またECCメモリの採用や10年間保守の提供、OS停止時に初期動作状態で自動復旧するソフトウェア自動復旧機構の装備などで、より長期間の運用に耐えうる製品となった。

 なおIPC60の利用に関しては、医療機器などの産業機械、自動車、船舶といった移動体をはじめ、情報家電、通信機器などさまざまな分野で適応が可能としている。



URL
  IP-processor コンソーシアム
  http://www.ipp-c.org/
  富士通株式会社
  http://jp.fujitsu.com/
  ニュースリリース
  http://www.ipp-c.org/Topics/release0319/newsrelease.html


( 石井 一志 )
2004/03/19 19:23

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