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日立、LCOS方式を採用した大画面リアプロジェクタを発売


LCOSマルチディスプレイ 右が70型、左が50型で2×2のマルチディスプレイを構築したイメージ

ユビキタスプラットフォームグループCEO 篠崎雅継氏
 株式会社日立製作所ユビキタスプラットフォームグループは4月12日、業務用リアプロジェクタのハイエンドモデル「LCOSマルチディスプレイ」の70型と50型の販売を開始した。

 LCOSマルチディスプレイは、光学エンジンに世界で初めて「反射型液晶LCOS(Liquid Crystal On Silicon)方式」を採用したリアプロジェクタ。対応解像度はSVGA+(1,400×1,050ピクセル)でマルチディスプレイに対応する。

 従来機種と比較して、画素と画素の幅(ピクセルライン)を画素比3~4%まで細めることによってより高精細な表示を可能としたほか、表示色の高純度化、TV信号(16.7ms)以下となる応答速度の高速化により、「LCDやDLPを上回るシームレス感を実現した」(ソリューションハードウェア開発部長 三堀公彦氏)。また、高速ランプオートチェンジャを標準搭載することにより長時間の連続運用にも対応した。

 さらに液晶パネルの長寿命化や偏光板交換を不要としたことによりランニングコストを大幅に削減できるという。ユビキタスプラットフォームグループCEOの篠崎雅継氏によると、「従来機種に比べランニングコストは1/2、TCOは25%削減可能」とのこと。

 価格と出荷開始予定日は、70型が1,050万円(税込)で7月30日、50型が840万円(税込)で8月31日。なお、価格にはマルチディスプレイシステムの標準構築作業料金が含まれる。同社によると50型モデルで縦・横各2面の4面マルチディスプレイを構築した場合、4,200万円(税込)からとのこと。


LCOS方式と従来方式の違い 高精細表示のイメージ 従来機種・他社製品との比較

 リアプロジェクタは企業・公共機関の大会議室や空港・駅などの公共施設、ショウルームやイベントなどでの利用が増えており需要も徐々に伸びてきている。同社ではこれらのほか、高精細・高可用性が求められる警察や電力/水道などのエネルギー業界での制御・監視システムを主な販売ターゲットとしている。篠崎氏は、「今後2年間で国内3,000台、海外2,000台を販売目標とし、5年ぶりのトップシェア奪回を目指す」と意気込みを語った。



URL
  株式会社日立製作所
  http://www.hitachi.co.jp/
  ニュースリリース
  http://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2004/04/0412.html


( 朝夷 剛士 )
2004/04/12 15:10

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