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日本HP、15万円を切るOpteron搭載2Wayサーバーなどを発表


 日本ヒューレット・パッカード株式会社は4月22日、AMDのOpteronを搭載したx86サーバー、「HP ProLiant DL145」「同 DL585」各3モデルを発表した。DL145は5月中旬、DL585は6月上旬より出荷開始となる予定。


HPC分野を強く意識したDL145

HP ProLiant DL145
 DL145は、最大2基のCPUを搭載可能なエントリークラスの1Uラックマウント型サーバー。ただし、インテル製CPU搭載の既存製品DL140と同様、SOHOや中小企業向けというわけではなく、多数のサーバーを連ねて利用するスケールアウトを意識した製品となっている。また、DL140の場合は64ビット/133MHz PCIバス、PC2100メモリを搭載していたが、DL145では高パフォーマンスを意識してか、64ビット/133MHz PCI-Xスロット、PC2700メモリ搭載に変更されている。

 DL145の主なターゲットはDL140同様、クラスタ構成が有効にはたらくことの多いHPC分野や大規模Webサーバーなどだが、エンタープライズストレージ・サーバ統括本部 インダストリースタンダード・サーバ製品本部 市場開発部 担当マネージャの正田 三四郎氏によれば、「プレマーケティングの反応をみると、よりHPC分野で関心が高いようだ。また、EDA(Electronic Design Automation)分野でも意識されている」とのこと。その背景としては、64ビットCPU搭載製品だから、ということももちろんあるものの、32ビットサーバーとして見た場合でも、HyperTransportテクノロジなどによるOpteronの高いパフォーマンスが評価されているという。

 主なスペックは、一番下のモデルで、Opteron モデル242 1.6GHz×1、1GB ECC PC2700メモリ(最大16GB)、40GB IDE HDD、64ビット/133MHz PCI-Xスロット×1、Gigabit Ethernetポート×2などで149,100円(税込)から。このほか、Opteron モデル244 1.8GHzと2GBメモリのモデルが199,500円から(税込)、Opteron モデル248 2.2GHzと2GBメモリのモデルが249,900円から(税込)。


大規模データベースを視野に入れたDL585

HP ProLiant DL585
 DL585は、最大4基までのOpteronを搭載可能な4Uラックマウント型サーバー。DL145よりは上のレベルを意識した製品で、インテル製CPU搭載製品ではDL580と同じクラスになる。こちらもDL145同様、同クラスのDL580ではPC1600であったメモリがPC2100に変更されているほか、64ビット/100MHz PCI-Xバスに加えて、64ビット/133MHz PCI-Xも搭載している。こちらは、64ビットのパフォーマンスを効果的に発揮できるような、大規模データベースなどを主なターゲットとしている。

 DL585の下位モデルの標準スペックは、Opteron モデル842 1.6GHz×2、2GB ECC PC2100メモリ(最大64GB)、HDDなし、64ビット/100MHz PCI-Xスロット×6、64ビット/133MHz PCI-Xスロット×2、Wide Ultra3 SCSI対応スマートアレイコントローラ×1、Gigabit Ethernet×2、冗長化電源などで1,260,000円(税込)から。


同一ラインアップで展開することの意義

日本HPのサーバー製品ラインアップ
 今回発表された両製品は、2月に同社がOpteron製品をラインアップに含めると表明した段階でプレリリースが行われていたもの。その時点でも言及されていたことだが、Opteron搭載製品もXeonと同じProLiantの製品ラインアップで提供され、ハードウェア、ソフトウェアは従来製品と共通化(メモリなどの一部オプションを除く)されている。また、管理ツールに関しても従来のままで利用可能だ。これは、ユーザーが行った投資を保護するという意味合いに加え、管理者の負担を増やすことなく、Xeon、Opteronの混在環境を利用できるように、という配慮の結果だという。

 またOpteron搭載製品に関しては、高いパフォーマンスと、コスト面での魅力から注目が集まっているが、同社がこれまで展開してきたXeon搭載製品とのすみ分けについて正田氏は「アプリケーション、システムによってはXeon(だけ)をサーティファイドしているような場合もあるし、インテル製品を好まれるお客様もいらっしゃるため、Opteron製品とインテルのXeon製品は併売という形で、ともに展開する」と述べた。

 同社は2月の時点で、Opteronをラインアップに取り入れることについて「お客様にとって最適なソリューションを提供できるような製品ラインアップを増強するため」としていたが、ラインアップが増えた結果、ユーザーが製品選定などでとまどわないように、それぞれの製品の長所をアピールする施策なども行っていくとのこと。



URL
  日本ヒューレット・パッカード株式会社
  http://www.hp.com/jp/
  プレスリリース
  http://www1.jpn.hp.com/info/newsroom/pr/fy2004/fy04-097.html

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( 石井 一志 )
2004/04/22 17:54

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