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富士通、一般企業の基幹業務向け2Wayブレードサーバーを発表


 富士通株式会社は5月20日、IAサーバー「PRIMERGYシリーズ」のラインアップに、ブレードサーバーの新製品「BX600」と、4Wayタワー型サーバー「TX600」の新モデルを追加すると発表した。BX600は5月27日から、TX600の新モデルは5月31日から発売される。


Xeon搭載で性能を強化したサーバーブレード

ブレードサーバー「BX600」
 BX600は、7Uサイズのシャーシに、最大10枚までのサーバーブレードを搭載できる製品。すでに販売されているブレードサーバー「BX300」は、Webサーバーなど、ネットワークのフロントエンドでの使用に適しているとしていたが、BX600は一般企業の基幹業務におけるデータベースサーバー、アプリケーションサーバーとして使用されることを想定している。

 このため、今回はサーバーブレードの性能が大幅に強化され、BX300では低電圧版モバイルPentium 3-M 933MHz/1GHz(最大1~2基)であったCPUがXeon 3.06/3.2GHz(最大2基)に、メモリがSDRAM 256MB(最大2GB)からDDR SDRAM 512MB(最大6GB)に、HDDが最大80GB(IDE)から最大293.6GB(Ultra 320 SCSI)に、それぞれグレードアップした。

 加えて外部機器との接続性も確保されており、オプションのファイバチャネルドータカード、ファイバチャネルパススルーブレードと併用することで、SANを外部ストレージとして利用できるようになったほか、SANからのブートにも対応することで、筐体内にHDDを内蔵しなくとも運用を行えるため、管理性が向上している。


一般企業の基幹向けに高い信頼性・運用性を提供

サーバシステム事業本部 IAシステム事業部長 増田 実夫氏
 信頼性の面でも、基幹での使用を見越して強化が行われ、サーバーブレードのGigabit Ethernetインターフェイスやシャーシの電源ユニット、マネジメントブレード、ファンユニットが標準で冗長化されている。このほか、オプションによってEthernetスイッチブレード、ファイバチャネルパススルーブレードも冗長化構成が可能となっており、高い耐障害性を実現した。サーバシステム事業本部 IAシステム事業部長 増田 実夫氏は「この製品だけに限ったことではないが、本来メインフレームのGSシリーズやUNIXサーバーなどで使用するために開発した検証施設をIAサーバーにも流用している」とも述べ、同社製品の信頼性をアピールしていた。

 こうしたハード面の機能・性能強化を強調する一方で、増田氏は「お客様に安心して運用していただくために運用支援ツールを用意した。これによって運用コストを大幅に削減できる」とも語り、ソフト面での取り組みも強調。富士通では、複数台のブレードを効率的に利用するため、OS/アプリケーションを一括インストールする「SystemcastWizard Professional」、リソースを仮想化して統合運用管理を行うための「Systemwalker Resource Coordinator」、ストレージを統合管理する「Softek Storage Cruiser」といったソフトウェアを提供し、ユーザーを支援する。

 BX600の対応OSは、Windows Server 2003/2000 Server、Red Hat Enterprise Linux AS 2.1/3、同 ES 2.1/3など。価格は、サーバーブレードがXeon 3.06GHz×1、メモリ512MB、HDDとOSなしの最小構成で、460,000円から。シャーシが最小構成で860,000円から。同社では、今年度中にサーバーブレード2,000台の販売を目標としている。


タワー型サーバーに最新CPU搭載モデルを追加

 PRIMERGY TX600に追加された新モデルは、Xeon 2.7/3.0GHzを搭載したモデル。従来製品に比べて、最大15%処理能力を向上させたという。価格は、Xeon 2.7GHz、メモリ1GB、HDD、OSなしの構成で1,263,000円より。

 なお富士通では今回発表されたBX600/TX600から、同社のWebサイト内にある「アップデートサイト」を利用して、自動的にOS(Linuxのみ)、富士通製ソフトウェア、ドライバなどのソフトウェアフィクスを行う仕組みを提供する。利用できるサーバー製品は順次拡大される予定で、また現状ではサードパーティ製ソフトウェアは対象外のため恩恵を受けられるユーザーは限られてしまうものの、今後適用範囲の拡大を検討するとしている。対応OSはWindows(無償)とLinux(保守契約ユーザーのみ)。



URL
  富士通株式会社
  http://jp.fujitsu.com/
  プレスリリース
  http://pr.fujitsu.com/jp/news/2004/05/20.html


( 石井 一志 )
2004/05/20 18:18

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