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日本HP、ビジネス全体の視点から最適化を行うILMソリューションを発表
ネットワークストレージ製品本部 本部長 渡辺浩二氏(右)と、ネットワークストレージ製品本部 プロダクトマーケティング部 担当マネージャ 諏訪英一郎氏
日本HPのILMソリューションイメージ
日本ヒューレット・パッカード株式会社は5月20日、企業内で利用されるデータの生成から削除までのトータル管理ソリューションとして「インフォメーション・ライフサイクル・マネージメント(以下、ILM)」を発表した。
一般にILM(データ・ライフサイクル・マネージメントとも呼ばれる)は、データを生成から削除までの重要度に合わせて適切なストレージに格納する管理方法を指す。ネットワークストレージ製品本部 本部長の渡辺浩二氏は同社が今回発表したILMについて「従来のILMを拡張し、ストレージだけでなくシステム全体の最適化を、ユーザーのビジネスニーズに合わせて行う」と説明する。
これはデータの動きだけにフォーカスして格納するストレージを選択するのではなく、コンサルティングによってユーザーのニーズやビジネスプロセスを把握し、同社が提供する製品群から最適なものを選択するというもの。渡辺氏は「ディスクやテープだけを持つストレージベンダーではできない当社の幅広い製品群によって実現する」、「標準技術に基づいたものだけを提供する」と、ディスクやテープなどのストレージ専業ベンダーとの違いを強調した。
同社ではILMを特に「金融・証券」「医療」「ライフサイエンス」「公共機関」の各業界に最適化して展開するほか、電子メール管理やストレージ間のデータ移動、アーカイブなど各目的に応じたソリューションをパートナーと構築する。
ニアオンライン・ストレージの領域
オンラインからアーカイブまで5段階のストレージ
さらに同社はILMの実現に向け、ファイバーチャネル(以下FC)互換のインターフェイスを実装する新規格「Fibre Attached Technology Adapted(以下、FATA)」を米Seagate Technologyと開発し、対応する250GBのHDDを7月より発売する。価格などはまだ決定していないが、「従来のFC HDDで構成したシステムと比較して1GBあたりのコストを約半分に抑えることができる」と、ネットワークストレージ製品本部 プロダクトマーケティング部 担当マネージャの諏訪英一郎氏は語る。
FATAについて同社は、既存のオンライン・ストレージとニアライン・ストレージの間の新たなカテゴリ「ニアオンライン・ストレージ(以下、ニアオンライン)」に最適と位置づける。このニアオンラインとは、比較的アクセス頻度の低いデータを格納し必要に応じて高速リカバリーができるディスク領域を指す。
一般化している“オンライン=ディスクアレイ、バックアップ=テープストレージ”という認識に対し、諏訪氏は「従来のでは増大するデータとコスト削減の要件に対応できない」と主張する。同社ではオンラインから長期保管まで、ILMに必要とされるストレージを格納するデータの使用頻度と運用コストごとに細分化し、全体で5段階に分けることで最適化が可能としている。
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URL
日本ヒューレット・パッカード株式会社
http://www.hp.com/jp/
ニュースリリース
http://www1.jpn.hp.com/info/newsroom/pr/fy2004/fy04-109.html
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