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StreamLine SL8500モジュラー・ライブラリー・システム
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SL8500の内部
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マーケティング本部長、吉川 知男氏
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日本ストレージ・テクノロジー株式会社は5月26日、ハイエンドテープライブラリ「StreamLine SL8500モジュラー・ライブラリー・システム」(以下、SL8500)を発表した。価格は、最小構成で4,070万円から。出荷は2004年第3四半期に開始される見込み。
現在のストレージを取り巻く状況においては、増え続けるデータ量を管理する、管理コストの部分をいかに抑えるかが課題になっている。これに関して、同社のマーケティング本部長、吉川 知男氏は「企業内におけるデータのうち、オリジナルデータは20%に過ぎず、残りの80%はバックアップデータ。またオリジナルデータの中にも、時間の経過とともに使われなくなるデータがある」と述べ、普段使われることのない、もしくは使われる可能性の少ないデータをどうやって管理するかが、ストレージのTCOを考える上で重要だとした。
こうした現状を踏まえて同社が投入した製品が、大型テープライブラリのSL8500だ。同社ではこれまでも、使用頻度の少ないデータを格納するためのニアライン、アーカイブの両分野では、コスト面・運用面を考慮するとテープソリューションこそが最適だ、と主張してきた。現在もその戦略にのっとり、各種テープドライブ、テープライブラリを提供しているが、今回発表されたSL8500は、従来のハイエンドテープライブラリ「PowderHorn9310」のさらに上位に位置付けられるもの。開発に際しては顧客の要望を念入りにヒアリングし、それを十分に生かしているという。
1台のSL8500には、最小構成でも1,448巻(437TB)、最大構成では6,640巻(1.9PB)のテープカートリッジと、64台までのテープドライブを収納でき、ユーザーの必要に応じて柔軟に拡張できるように設計されている。さらに、パススルーポートによって最大32台までの筐体連結を可能にしているため、最大30万巻のテープカートリッジを搭載できる。最大拡張時のデータ容量は、実に90PBにも及ぶ。
また、ライブラリ内部でテープの出し入れを行うロボット機構を、これまでの円運動から変更。SL8500では、内部を4U字型レールで4段に区切り、そのレールそれぞれにロボットを並行稼働する構造を採用して速度と収納性を向上させ、PowderHorn9310と比べて3倍以上のアクセス速度、約2倍のテープカートリッジ収納密度を実現した。
運用面では、MVS/MSPなどのメインフレーム環境と、UNIX/Windows/Linuxといったオープン環境を混在して利用できるほか、BrightStor Arcserve、Tivoli、Net Backupなどサードパーティ製のバックアップソフトもサポートしている。それに加えて信頼性も重視しており、主要部分の二重化とホットスワップに対応。さらに稼働中に、スロット、テープドライブ、ロボットの追加/変更やマイクロコードの更新などを行うことも可能で、同社では99.99%の高可用性(想定年間ダウンタイム1時間未満)を目指すとしている。
■ URL
日本ストレージ・テクノロジー株式会社
http://www.storagetek.co.jp/
プレスリリース
http://www.storagetek.co.jp/company/pressroom/2004/040526.html
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( 石井 一志 )
2004/05/26 19:32
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